米Googleは、機械学習のためのライブラリであるTensorFlowの最新バージョンとなる、「TensorFlow 2.10」を9月6日(現地時間)にリリースした。
「TensorFlow 2.10」では、tf.keras.layers.Attention、tf.keras.layers.AdditiveAttention、tf.keras.layers.MultiHeadAttentionといった、Kerasアテンションレイヤのマスク処理が拡張および統合され、3つのレイヤすべてがcallのためのuse_causal_mask引数をサポートするようになるとともに、Attention、AdditiveAttention、MultiHeadAttentionレイヤが暗黙のマスキングをサポートするようになっている。
また、tf.keras.optimizers名前空間を置き換えるKeras Optimizer APIがtf.keras.optimizers.experimentalにて公開されており、オプティマイザ名前空間の新たなAPIへの今後の正式な切り替えに備えて、現在のKerasオプティマイザがすべてtf.keras.optimizers.legacyにエクスポートされた。
さらに、Kerasイニシャライザ(tf.keras.initializers API)がステートレスかつ決定論的になり、ステートレスTFランダムops上に構築されるとともに、シードされたKerasイニシャライザとシードされていないKerasニシャライザの両方が、呼び出されるたびに常に同じ値を生成するようになっている。また、コールバックがNトレーニングステップごとにモデルをバックアップできるようになったほか、新ユーティリティtf.keras.utils.audio_dataset_from_directoryを使用した、.wavファイルのディレクトリからの音声分類データセットの生成、EinsumDenseレイヤの安定版への移行などの機能追加・改善が行われた。
そのほか、プログラム実行前に環境変数TF_ENABLE_ONEDNN_OPTS=1を設定することで、Arm Architecture(ACL)のCompute Libraryを、oneDNNを通じてTensorFlowと統合したことによる、aarch64 CPUでのパフォーマンス向上を試せるほか、TensorFlow-DirectMLプラグインによってWindowsでより広範なGPUの活用が可能になっている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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