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Canonicalが「Ubuntu Pro」を提供開始、セキュリティ対策プログラムの10年間提供などの有料追加サービス

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 英Canonicalは同社が提供するLinuxディストリビューション「Ubuntu」に向けた有料追加サービス「Ubuntu Pro」の提供を1月26日(現地時間)に始めた。利用価格はデスクトップ1台当たり年額25ドルから。サーバーの場合は1台当たり年額225ドルから。30日間に限って無料で使用できる。個人利用者は最大5台まで無料でサービスを受けられる。利用するにはUbuntu 16.04以降のLTS(Long Term Support:長期サポート)版が必要。

 Ubuntu Proでは、セキュリティ対策プログラムを長期にわたって提供し続けるほか、クレジットカード業界などの規制が厳しい業界に合わせた対応パッケージや、再起動不要でカーネルを修正できる修正プログラムなどを提供する。

 Canonicalは、UbuntuのLTS版では、セキュリティ対策プログラムを5年間配布するとしているが、Ubuntu Proを契約した顧客にはセキュリティ対策プログラムを10年間配布するとしている。しかも、LTS版では「main」レポジトリにあるプログラムのセキュリティ対策プログラムしか配布しないが、Ubuntu Proを契約すると、「main」レポジトリのほかに、「universe」レポジトリにあるプログラムのセキュリティ対策プログラムも提供するとしている。また、Ubuntu Proを利用すると、大量のUbuntuマシンをCanonicalが開発したシステム管理ツール「Landscape」で管理できるようになる。

 さらに、Linuxカーネルに深刻な脆弱性が見付かったときは、OSを起動させたままインストール可能な修正プログラム「Livepatch」を提供する。これにより、予定外の再起動を避けられる。サーバーの再起動には時間がかかり、サービスを止めることを余儀なくされてしまうこともある。再起動することなく修正プログラムをインストールできるLivepatchは、管理者にとってはありがたい存在だろう。

 そして、Ubuntuを金融や医療など厳しい規則を守らなければならない分野で使うための各種プログラムも提供する。具体的には、米国政府の業務でコンピュータを使用する際に必要になる、FIPS(Federal Information Processing Standards:連邦情報処理標準)準拠の暗号化プログラムを提供する。この暗号化プログラムは米国政府に限らず、FedRAMP(Federal Risk and Authorization Management Program:米国連邦政府によるリスクおよび認証管理プログラム)、HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act:医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)、PCI-DSS(Payment Card Industry Data Security Standard:国際的なクレジット産業向けのデータセキュリティ基準)といったセキュリティ基準に従って業務を進めている組織でも必要になるものだ。

 Ubuntu ProはCanonicalのWebサイトで申し込みを受け付けているほか、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azureのそれぞれのマーケットプレイスでも販売している。パプリッククラウドの大手3社を通して契約すると、コンピューターの稼働時間1時間単位で料金を請求するとしている。

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