独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は、オープンソースソフトウェア(OSS)の開発および普及に貢献した人を4名選出し、発表した。
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は12日、オープンソースソフトウェア(OSS)の開発および普及に貢献した人を表彰する「2007年度日本OSS貢献者賞」の受賞者を選定したと発表した。
選定されたのは、小山哲志氏、笹田耕一氏、佐藤嘉則氏、松本裕治の4名。
小山氏は、日本PHPユーザ会や日本UNIXユーザ会などを通じ、長年、OSS活用の技術者育成に貢献している。各イベントでは企画・運営にも関わっており、そのコミュニケーション力やシナジーを生み出せる技術者である点が評価された。
笹田氏は、YARV(Yet Another Ruby VM)の開発者としてRubyの高速化に貢献しており、日本Rubyの会、Ruby会議、Rubyist MagazineなどRubyのコミュニティ活動を通じてRubyの普及・促進に大きな影響を与えている点が評価された。なお、氏は2004年度未踏ソフトウェア創造事業(未踏ユース)採択/スーパークリエータ認定、2005年度上期未踏ソフトウェア創造事業および2006年度下期未踏ソフトウェア創造事業に採択されている。
佐藤氏は、組込み向け等の小規模なCPUへのLinuxカーネルの移植を行い、同時に関連するツールチェーン等の改善提案を行うなど、幅広く活動し、実用性の高い業績を残している。その成果は国際的にも評価されており、また、他の技術者にLinux開発の経験を伝えるなど、OSSを通じて組み込み業界を支えている点が評価された。なお氏も、2003年度未踏ソフトウェア創造事業に採択され、スーパークリエータに認定されている。
松本氏は、自然言語処理のについて大学で研究を行い、その研究成果を様々なOSS として公開している。特に、形態素解析システム「茶筌(ChaSen)」は代表的プロジェクトであり、日本語解析を必要とする検索エンジン等、他の様々なOSSプロジェクトで利用されている。大学における研究の成果を広く公開する姿勢は、産官学の連携を促進するものであり、OSSのあるべき姿の1つとして評価された。
情報処理推進機構:プレス発表:「2007年度日本OSS貢献者賞」の受賞者を選定
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