JavaScript/TypeScript向け静的解析ツール「Oxlint」の開発チームは、Oxlintのバージョン0.0.20を公開した。このバージョンで正式公開になるとしている。OxlintはMITライセンスで公開しているオープンソース・ソフトウェア。
Oxlintは、JavaScriptやTypeScriptのコードを調べ、エラーにつながりやすい書き方となっている部分や、必要のない部分を指摘する機能を持っている。この用途では「ESLint」が事実上の標準となっているが、100%JavaScriptで記述してあるため、実行速度が問題となっている。
Oxlintでは、プログラムを記述する言語にRustを選ぶことで処理速度を大きく引き上げた。さらに、並列処理に対応し、コンピュータのプロセッサが搭載するコアの数が増えるに従って性能が上がっていく設計になっている。さらに、テスト結果のメッセージをシンプルかつ分かりやすいものにした点も特徴として挙げられる。
正式版になる前からOxlintを試験的に使っていた米Shopifyの担当者は、ESLintを使っていた頃は自社開発のコードをテストするのに75分かかっていたが、Oxlintを使ったところ、10秒程度で済むようになり、テスト結果も分かりやすくなったとコメントしている。
現時点でOxlintはプラグインで拡張する仕組みを持っていないが、開発チームはこの仕組みを導入するために調査を始めているとしている。そして、現時点ではESLintの完全な代替とはならないため、ESLintの実行速度の遅さなどが問題になったときに使うなど、使用する場面を選んでほしいとしている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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