米Google Cloudは、AlloyDB for PostgreSQLを使用して、エンタープライズ向け生成AIアプリケーションを構築できるようにする、AlloyDB for PostgreSQLの統合機能セット「AlloyDB AI」の一般提供を3月1日(現地時間)に開始した。あわせて、任意のデータベースを使用した生成AIアプリケーションの構築を可能にするベクトル検索機能や、言語モデルを利用したアプリケーションを開発するためのフレームワーク「LangChain」との統合も発表されている。
AlloyDB AIの一般提供は、AlloyDB for PostgreSQLとAlloyDB Omniの両方で開始されており、リアルタイムで正確な応答を必要とするエンタープライズ向けAIアプリケーションの構築に最適化されており、トランザクション、分析、ベクトルのワークロードに対して、優れたパフォーマンスを提供する。また、オンプレミスや他のクラウドサービスなど、どこでも実行できる。
あわせて発表されたベクトル検索機能は、Cloud SQL for MySQL、Memorystore for Redis、Spannerといった、複数のGoogle Cloud上のデータベースにわたるベクトル検索を実現し、現時点ではプレビュー公開となる。
Cloud SQL for MySQLでは、近似ベクトル検索と最近傍ベクトル検索の両方をサポートするようになり、新たにシステムを学習したりセットアップしたりすることなく、すでに使用しているデータベースによるベクトル検索が実行可能となっている。
さらに、生成AIアプリケーションに超高速パフォーマンスを提供すべく、Memorystore for Redisにおけるベクトルストレージとベクトル検索がサポートされるようになり、LLMセマンティックキャッシュなどさまざまなユースケースに超低遅延のデータストアが提供されるようになった。
LangChainとの統合では、AlloyDB、Cloud SQL for PostgreSQL、Cloud SQL for MySQL、Memorystore for Redis、Spannerにおいて、ベクトル類似性クエリをサポートするベクトルストアが利用できるようになる。また、WebページのコンテンツやYouTubeビデオのトランスクリプトといった、さまざまな外部ソースからのシームレスなデータ読み込みを可能にするドキュメントローダも用意されている。さらに、過去の会話からより深いコンテキストを提供するチャットメッセージメモリによって、将来の参照のためにチャット履歴を保存できるようになった。なお、LangChain統合に関連するパッケージは、GitHubにて入手可能となっている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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