Google、最新AIモデル「Gemini 2.0」の早期試験版を開発者に公開。AI搭載コーディングエージェントの発表も

　米Googleは、没入感とインタラクティブ性をさらに高めたアプリケーションを実現する「Gemini 2.0 Flash Experimental」と、開発者に代わってアクションを実行することによってワークフローを強化する、新たなコーディングエージェント「Jules」を、12月11日（現地時間）に発表した。

　Gemini 2.0 Flash Experimentalは、Gemini 1.5 Proと比較して2倍の速度でより強力なパフォーマンスを実現し、新たなマルチモーダル出力が含まれ、ネイティブツールの使用を可能にする。また、リアルタイムのオーディオおよびビデオストリーミングを備えた、動的アプリケーション構築のためのMultimodal Live APIも導入されている。

　開発者は、Google AI StudioとVertex AIのGemini APIを通じて、Gemini 2.0 Flash Experimentalをテストおよび調査できる。なお、一般提供は2025年初旬を予定している。

　Gemini 2.0では、Gemini 1.5 Proを上回る強力さながら、開発者が求める速度や効率性を併せ持ち、マルチモーダル、テキスト、コード、ビデオ、空間理解、推論のパフォーマンスも向上した。空間理解の向上によって、雑然とした画像内の小さなオブジェクトに対して、より正確な境界ボックスを生成可能になり、オブジェクトの識別とキャプション付けも向上している。

　さらに、Gemini 2.0を使用することで、テキスト、音声、画像を含む統合レスポンスを1回のAPI呼び出しで生成できるほか、関数呼び出しによるカスタムサードパーティ関数に加えて、Google検索やコード実行といったツールをネイティブに呼び出せる。また、カメラや画面からのオーディオおよびビデオストリーミング入力を通じて、リアルタイムのマルチモーダルアプリケーション構築が可能になった。

　あわせて発表された、AI搭載コードエージェントであるJulesは、非同期で動作してGitHubワークフローと統合されており、バグ修正やその他の時間のかかるタスクを処理してくれるので、開発者は自身が構築したいものに集中できるようになる。問題に対処するための包括的な複数ステップの計画を作成して、複数のファイルを効率的に変更し、修正を直接GitHubに戻すためのプルリクエストを用意してくれる。

　現時点では、Julesは厳選された信頼に足るテスタに提供されており、2025年初頭での開発者への提供を予定している。