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Azureのクラウド環境でDevOpsを実現する「Azure DevOps」入門

Azure DevOpsのソースコード管理ツール「Azure Repos」を使いこなそう

Azureのクラウド環境でDevOpsを実現する「Azure DevOps」入門 第3回

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Azue ReposとSlackを連携する

 ここからはAzure Reposからの通知をSlackで受け取るための連携方法について説明します。Slackと連携することで、コミットやプルリクエストに関する通知を受け取れるようになります。

SlackにAzure Reposアプリを追加する

 最初にSlack側にAzure Reposアプリを追加します。WebブラウザからAzure Repos SlackアプリのURLにアクセスすると、Slackにリダイレクトし、アプリの追加を許可するための画面が表示されます。

図10:SlackにAzure Reposアプリを追加する画面
図10:SlackにAzure Reposアプリを追加する画面

 Azure Reposアプリを使うチャネルを選択して「Allow」を選択すると、Slack上にAzure Reposアプリからのメッセージが投稿されます。

図11:Azure Reposアプリから投稿されたメッセージ
図11:Azure Reposアプリから投稿されたメッセージ

 メッセージにある通り、Azure Reposに接続するために「/azrepos signin」とコマンドを入力し「Sign in」ボタンを選択します。

図12:Sign inボタンを表示する
図12:Sign inボタンを表示する

 Webブラウザに遷移すると、SlackにAzure Reposの情報を参照する権限を付与するかの確認画面が表示されます。内容を確認して問題がなければ「Accept」ボタンを選択します。

図13:Slackへの権限付与の確認画面
図13:Slackへの権限付与の確認画面

 次に認証コードが画面に表示されます。この認証コードをコピーし、Slack上に表示されている「Enter code」ボタンを選択して表示されるウィンドウに貼り付けるとAzure Reposへのサインインは完了となります。

図14:Azure Reposへのサインインが完了した場合のメッセージ
図14:Azure Reposへのサインインが完了した場合のメッセージ

DevOps組織の設定でサードパーティアプリのアクセスを有効にする

 次の手順に進む前に、DevOps組織の設定を確認します。

 SlackとAzure Reposの連携にはOAuthによる認証が使用されており、DevOps組織の設定でOAuthを介したサードパーティアプリのアクセスが有効になっている必要があります。

 DevOps組織の設定画面を表示し、左側のメニューから「Policies」を選択して「Third-party application access via OAuth」という項目がオンになっているかを確認します。

図15:サードパーティアプリのアクセス有効化
図15:サードパーティアプリのアクセス有効化

 項目がオフになっている場合は、オンに変更します。

Slackアプリでリポジトリのウォッチを開始する

 Slackに戻り、対象となるリポジトリのウォッチを開始するための操作を行います。

 まず「/azrepos subscribe [リポジトリのURL]」と入力します。リポジトリのURLは、プロジェクトのダッシュボードでAzure Reposの「Files」を選択した際のURLを使用します。

図16:リポジトリのウォッチを開始する
図16:リポジトリのウォッチを開始する

 コマンドが成功すると、プルリクエスト作成時に通知される旨のメッセージが表示されます。他の種類の通知も受け取りたい場合は、「/azrepos subscriptions」と入力します。

図17:現在のウォッチ状況の表示
図17:現在のウォッチ状況の表示

 現在ウォッチしているリポジトリと、何の通知を受け取っているかの一覧が表示されます。この中にある「Add Subscription...」ボタンを選択すると、他の種類の通知を選択できるようになります。

 今回は「Code pushed」を選択することでコミットがプッシュされた際にも通知を受け取れるようにします。

図18:コードのコミットもウォッチ対象に追加する
図18:コードのコミットもウォッチ対象に追加する

 プルダウンを選択するとどのリポジトリやブランチを対象とするかを選ぶプルダウンが追加で表示されるので、希望する内容を選択していき「Save」ボタンを選択します。

コミットやプルリクエストの通知を受け取る

 ここまでの操作で通知を受け取る準備ができました。それでは実際にコードをコミット・プッシュしたりプルリクエストを作成してみて、Slackに通知が飛ぶことを確認していきます。

 次の手順でプルリクエストを作成するため、現在のmainブランチから任意のブランチに切り替えて作業を行います。

 VSCodeでブランチを作成する場合は、コマンドパレットを開き「git create branch」と入力するか、「ソース管理」タブを開き「⋯」ボタンから「ブランチ」、「ブランチの作成」を選択することでブランチを新規作成することができます。ここでは「develop」という名称でブランチを作成します。

図19:VSCodeでのブランチ作成方法
図19:VSCodeでのブランチ作成方法

 後は通常通りに任意のファイルを作成または編集して、コミットとプッシュの操作まで行います。プッシュがされると、Slack上にコミット内容が表示されます。コミットのID部分がリンクになっており、選択するとWebブラウザでコミットの内容を確認することも可能です。

図20:コミットの通知
図20:コミットの通知

 プルリクエストは、まずWebブラウザ上でプルリクエストを作成する必要があります。プロジェクトのダッシュボードでAzure Reposのメニューから「Pull requests」を選択します。

図21:プルリクエストの新規作成(1)
図21:プルリクエストの新規作成(1)

 「New pull request」ボタンを選択し、プルリクエストの新規作成画面を表示します。

図22:プルリクエストの作成(2)
図22:プルリクエストの作成(2)

 マージ元となるブランチ(developブランチ)とマージ先となるブランチ(mainブランチ)を選択し、プルリクエストのタイトルと説明を入力していきます。

 「Reviewers」にはレビュアーを指定します。レビュアーは、個人を複数指定する他にグループを指定することもできます。

 最後に「Create」ボタンを選択してプルリクエストの作成を完了します。

図23:プルリクエスト作成の通知
図23:プルリクエスト作成の通知

 プルリクエストを作成した後、Slack上に作成したプルリクエストの内容が表示されます。タイトル部分を選択するとWebブラウザでプルリクエストの内容を確認できます。

まとめ

 今回はAzure DevOpsサービスの一つである、ソースコード管理サービスのAzure Reposについて、その概要と使用方法を紹介しました。次回はCI/CDの要となる「Azure Pipelines」について説明していく予定です。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 秋葉 龍一(アキバ リュウイチ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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