『楽々ERDレッスン』(羽生章洋 著)に続き、2月6日、CodeZineのカットアップ書籍 第2弾 『達人に学ぶ SQL徹底指南書』を刊行しました。
ミックさんの連載を加筆・再編集した他、チューニング・テクニックやリレーショナル・データベースの歴史なども網羅し、より高みを目指すDBエンジニアに必携の1冊に仕上がりました。適切なSQLの書き方が分からず、どうもRDBMSの性能を引き出せないとお悩みのWebエンジニアの方にもお薦めです。
仕様
- 書名: 『達人に学ぶ SQL徹底指南書』
- 著者: ミック著
- 頁数: 320ページ
- 定価: 2,400円(+消費税)
- 判型: A5正寸
- 色数: 2色
- 刊行日: 2008年2月6日
- ISBN: 978-4-7981-1516-0
筆者からのコメント
本書は、二つの意味で「橋を架ける」ことを目的としています。一つは、DBエンジニアとして初級から中級へ架橋し、初級者の方々のステップアップを支援すること。もう一つは、原理(理論)と実践の間を架橋することです。「初級」ということで、具体的には、SQLを使い始めて少なくとも半年から一年ほどの経験があり、基礎的なことは習得しおわった、というあたりを念頭においています。
データベースの世界は、私たちが慣れ親しんできた手続き型(あるいはオブジェクト指向)やファイルシステムの原理とは異なる原理を基礎に構築された世界です。従って、この世界を自由に動き回るためには、一度私たちが身に付けた先入観を横において、この世界独自の原理を学んでいく必要があります。特に重要になるのが、SQLの基礎理論である集合論と述語論理です。この両者は、通常の学校教育では習わない分野であることも手伝って、経験の豊かなプログラマやエンジニアにでさえ、十分に知られているとは言えません。
本書は、そうしたSQLのとっつきにくさを軽減するために、私たちが日常の業務よく直面する業務要件(コード体系の変換、ランキング、連番の歯抜け探索、行列変換、等々)や、その中で頻繁に利用する技術(CASE式、EXISTS、HAVING、相関サブクエリ、等々)を手がかりとして、一段ずつ、皆さんがDBエンジニアとしてレベルアップしていく過程を支援します。そのために、豊富な例題と演習問題を用意し、また丁寧な解説を心がけました。きっと、本書を読み終えたときには、今まで見たことのなかった新しい風景が目の前に開けてくるのではないかと思います。
本書はまた、そうした実践面からのアプローチとあわせて、リレーショナル・データベースの基礎面からのアプローチも採用しています。例えば、RDBというシステムが生まれるにいたった契機や、SQLの3値論理という体系が持つ論理学上の意味といった歴史的・文化史的な観点、あるいは、GROUP BYとPARTITION BYの基礎となっている「類」の概念や、SQLにおける再帰集合や閉包性の役割といった理論的背景についても解説することで、実践と基礎の両方向からSQLについて理解を深めてもらえるよう配慮しています。
さあ、それでは早速、リレーショナル・データベースの世界へ探訪へでかけるとしましょう。
この素晴らしき世界へ、ようこそ!
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- この記事の著者
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斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...
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