ファイルメーカー株式会社は5日、記者会見を開き、設立10周年を迎えたファイルメーカー社の今後の戦略と、明日6日から発売開始のMac OS X Leopard用パーソナルデータベースソフト「Bento」(ベントー)について発表した。
ファイルメーカー株式会社は5日、記者会見を開き、設立10周年を迎えたファイルメーカー社の今後の戦略と、明日6日から発売開始のMac OS X Leopard用パーソナルデータベースソフト「Bento」(ベントー)について発表した。Bentoの希望小売価格は通常版が4,800円(税別)、ファミリーパック(5ライセンス)が9,800円(税別)。
同社の親会社にあたるFileMaker, Inc.社長 ドミニク・グピール氏はFileMaker製品の世界戦略について次のように述べた。
前Claris CorporationからFileMaker Inc.に改組して約10年、中小企業や大企業の一部門といった、中小規模のデータベース市場をターゲットにした企業戦略が功を奏し、企業や教育機関、政府機関と幅広く優良な顧客を得て、成功を収めることができた。
今後は既存分野の拡充に加え、新しい戦略として一般消費者も対象にFileMakerファミリー製品を提案していくと言う。その具体策が明日から発売開始される、新しいパーソナルデータベース「Bento」だ。
製品名の由来となった「弁当箱」にも象徴されるように、さまざまなデータを綺麗に分かりやすく一つにまとめたら、非常に有益なのでは、といった思いが込められている。
主な画面構成は、左にアドレスブックや各種データベース等を管理する「ソースリスト」、右に各データソース内のフィールドを管理する「フィールドリスト」、中央にデータを表示する「レコード領域」といったもの。
Apple製品との相互運用性が確保されており、アドレスブックやiCalのデータとシームレスに連携できる他、OS標準ではできない、表形式での表示や項目ごとの並べ替えなども可能にする。また、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でデータを登録/管理することができ、各項目の配置をBentoが自動調整したり、ワンクリックで適用できるスタイリッシュなデザインテーマが20種類以上用意されていたりするなど、初心者でも使いやすくなっている。
ファイルメーカー社の日隈雅也氏は、「データベースをこんなに簡単に操作できるのはBentoだけ」と強調した。
「Bento」を作った経緯は、数年前に行った顧客調査に由来しているという。その結果は次のようなもので、FileMaker Proという豊富な機能や複数人による利用形態を持ったデータベースだけでなく、分かりやすくスタイリッシュで初心者でも簡単に使えるようなデータベース製品の必要性を感じたから、と述べた。
- 90%の人 : データベースの必要性を感じている
- 75%の人 : データベースの利用を検討した(そのうち2/3は難しくて挫折した)
- 50%の人 : より分かりやすい、使いやすいデータベースを欲しいと感じた
なお、「Bento」をMac OS X Leopard用に限定した理由については、「Apple社の顧客を急速に拡大する商業的な成功があった」「Leopardの高度な検索機能、Time Machine、Core Animationといった先進的なテクノロジーを利用できる」「FileMakerブランドは、特にMacで有名であり、新分野を広げていくのに適している」などと述べた。
最後に、ファイルメーカー社社長の宮本高誠氏は、10周年という節目に、この新しいパーソナルデータベース製品「Bento」を提供できることを大変嬉しく思う。Macユーザが最初に持つべきソフトの1本として認知してもらえるよう強くアピールしていきたいと締めくくった。
【関連リンク】
・FileMaker Pro特集ページ
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斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...
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