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これだけは押さえておきたい! AWSサービス最新アップデート

AWSのAIエージェント型IDE「Kiro」がさらに進化! PowersとAgent Skillsで技術コンサルの調査・回答業務を効率化

第40回 AWS Kiro:Powers、Agent Skills

やってみた①:「事例ありますか? 注意点は?」に出典付きで答える

 最初の検証は、顧客から実際に来そうな質問をそのまま投げてみることです。

入力したプロンプト:

 「顧客(中堅製造業)から『コンテナ化した基幹系の受発注システムをECSで動かしたい。同じようなことをやっている事例はあるか? 注意すべき点は?』と聞かれました。AWS公式の情報源(ドキュメント、ブログ、規範ガイダンス)を調べて、(1)参考になる公式事例・ガイダンス (2)注意点 (3)出典URL の構成で回答案を作ってください。」

 Kiroは質問のキーワードからKnowledge MCP Serverのツールを呼び出し、ドキュメントとブログを検索し始めました。

Knowledge MCPが検索している様子
Knowledge MCPが検索している様子

 数分後に得られた回答(抜粋)がこちらです。

実際の回答案のキャプチャ
実際の回答案のキャプチャ

 ポイントは、回答の各項目に出典URLが付くことです。生成AIの回答をそのまま顧客に出せない最大の理由は「根拠を確認できない」ことですが、一次情報へのリンクがあれば、コンサルタントが出典を目視確認した上で顧客向けに仕上げるワークフローが成立します。

 ただし注意点もあります。出てくるのはあくまで「公式事例」であって「他社の生事例」ではありません。顧客が本当に欲しいのは「同業他社がどこでつまずいたか」という生々しい情報であることが多く、そこまではカバーできません。それでも、回答作成時間の大半を占める「公式情報の網羅的な収集」が数分に短縮されれば、残りの時間を「自分の経験を加味した肉付け」に使えます。AIが下調べを担当し、人間が経験談を加える分業ができると感じました。

やってみた②:「ベストプラクティスは?」を自分の「回答の型」で返す

 続いて、2つ目の検証です。ベストプラクティスの回答は人によって粒度も構成もバラバラになりがちなので、回答フォーマット自体をAgent Skillとして定義してみます。.kiro/skills/consultant-answer/SKILL.md として以下を作成しました。

---
name: consultant-answer
description: 顧客からの「ベストプラクティスは?」「推奨構成は?」という質問に、コンサルタントの回答フォーマットで答える
---

# コンサルタント回答スキル

顧客からAWSのベストプラクティスや推奨構成を聞かれた場合、必ず以下の構成で回答案を作成する。

## 回答フォーマット
1. **推奨案**:結論を最初に1〜2文で
2. **根拠**:Well-Architected Frameworkのどの柱(運用性・セキュリティ・信頼性・パフォーマンス・コスト・持続可能性)に基づくかを明示
3. **アンチパターン**:その構成でやってはいけないこと
4. **コスト影響**:推奨案を採用した場合のコストへの影響(増/減/中立と理由)
5. **出典**:参照した公式ドキュメントのURL

## ルール
- 出典のない「ベストプラクティス」の断定は禁止。公式情報で確認できない場合は「一般論として」と明示する
- AWS公式情報と推測を必ず区別して書く
- 顧客の業種・規模が分かっている場合は、それを踏まえた条件付きの推奨にする

 この状態で、次の質問を投げます。

入力したプロンプト:

 「顧客から『マルチアカウント環境でのログ集約のベストプラクティスは?』と聞かれました。回答案を作ってください。」

Kiroからの回答の様子
Kiroからの回答の様子

 スキルを明示的に呼び出さなくても、Kiroが質問内容との関連性を判断してスキルを適用し、定義したフォーマットどおりの回答案を返してくれました。

 この仕組みの利点は、回答品質の組織標準化にあります。SKILL.mdはただのMarkdownファイルなので、Gitリポジトリでチーム共有できます。ベテランの「回答の型」をスキル化して配れば、若手の回答も同じ構成・同じ品質基準になります。属人化対策として即効性のある手段だと感じています。

次のページ
やってみた③:ふわっとした課題感を構造化する

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この記事の著者

奥村 康晃(株式会社NTTデータ)(オクムラ ヤスアキ)

 NTTデータ入社以来、クラウドサービスのAPIを連携させることで効率的な管理を可能とするクラウド管理プラットフォームの開発に従事。現在では、クラウド導入の技術コンサルや組織での技術戦略立案にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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