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これだけは押さえておきたい! AWSサービス最新アップデート

AWSのAIエージェント型IDE「Kiro」がさらに進化! PowersとAgent Skillsで技術コンサルの調査・回答業務を効率化

第40回 AWS Kiro:Powers、Agent Skills

やってみた③:ふわっとした課題感を構造化する

 最後は、最も難易度の高い「まだ問いになっていない相談」です。

入力したプロンプト:

 「顧客の情シス部長から『クラウドの費用がなんとなく高い気がする。あとAI活用も上から言われている。どうしたらいいか』というふわっとした相談を受けました。次回ヒアリングまでに、(1)確認すべき質問リスト (2)課題の整理(構造化) (3)次回打ち合わせのアジェンダ案 を作ってください。」

 筆者の目論見では、「費用」という話題にAWS Cost Optimization Powerが反応するはずでした。ところが、実際に発火したのはやってみた②で作ったconsultant-answerスキルのほうで、Powerは反応しませんでした。

consultant-answerスキルが発火した様子
consultant-answerスキルが発火した様子

なぜ意図しないほうが発火したのか

 Powersは「会話内のキーワード」、Agent Skillsは「タスクとの関連性」で発火します。Powerの詳細画面を見ると、トリガーキーワードがハッシュタグ形式で列挙されており、AWS Cost Optimization Powerでは「#finops」「#cost-optimization」「#aws-billing」など、いずれも英語です。日本語の「費用が高い気がする」というプロンプトではマッチしません。一方、スキルのdescriptionは「顧客からの質問に回答フォーマットで答える」という広い書き方だったため、今回のタスクと意味的に合致してしまいました。

Power詳細画面に表示されるトリガーキーワード
Power詳細画面に表示されるトリガーキーワード

 つまり、どの拡張が発火するかは、作った本人の意図ではなく「記述」で決まるということです。スキルやPowerを併用する場合は、descriptionの適用範囲を意図的に設計し、「どれが発火したか」を確認する習慣が必要です。

対処:プロンプトでPower名を明示する

 SKILL.mdのdescriptionを「ベストプラクティスを聞かれた場合」に絞って再実行しても、Powerは発火しませんでした。そこで確実な方法として、プロンプト内にPower名を明示的に記載する方法をとります。実は、インストール直後の「Try power」ボタンも「I just installed the aws-cost-optimization power and want to use it.」というメッセージでセッションを始めており、Kiro自身もこの使い方をしていることがわかります。これに倣い、プロンプトの冒頭に一文を追加して再実行しました。

修正後のプロンプト:

 「aws-cost-optimization powerを使ってください。 顧客の情シス部長から『クラウドの費用がなんとなく高い気がする。』(以下、元のプロンプトと同じ)」

Power名を明示して再実行した様子
Power名を明示して再実行した様子

 今度は意図どおり「Activated Kiro power aws-cost-optimization」と表示されました。このキャプチャの注目ポイントは3つあります。

  • Power名の言及が、確実な呼び出し手段として機能した
  • スキルは読み込まれたが、適用を自分で見送った:「課題整理・ヒアリング準備のタスクなので、コンサルタント回答フォーマットではなく構造化した準備資料として作成します」と判断しており、descriptionの絞り込みが適用範囲の判断材料として効いています
  • Knowledge MCP Serverも連携した:質問リスト作成前にコスト最適化のベストプラクティスを検索しており、Power・スキル・MCPが組み合わさって動いています

 生成された「次回ヒアリング準備資料.md」は、(1)確認すべき質問リスト17問(月額推移、「高い」と感じた根拠、RI/Savings Plansの活用状況、経営層のAIへの期待など)、(2)課題を可視化不足・購買最適化・戦略不在など6領域に整理した課題マップ、(3)60分の打ち合わせアジェンダ案、という3部構成でした。「高いと感じた根拠」を明確にする質問を先頭に置くなど勘所を押さえており、ヒアリング準備の叩き台として十分実戦投入できる水準です。

 なお執筆時点では、使いたいPowerをチャット記法やUIで確実に指定する公式な仕組みはなく、明示的に指定したいという要望がGitHubのissueで議論されている段階です。日本語で使う場合は当面、「Power名をプロンプトに書く」運用でカバーすることになりそうです。

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Claude CodeやCodexとの違い

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この記事の著者

奥村 康晃(株式会社NTTデータ)(オクムラ ヤスアキ)

 NTTデータ入社以来、クラウドサービスのAPIを連携させることで効率的な管理を可能とするクラウド管理プラットフォームの開発に従事。現在では、クラウド導入の技術コンサルや組織での技術戦略立案にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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