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Developers Summit 2026 KANSAI セッションレポート

「とほほのWWW入門」運営30年で見た、プログラミング言語とWeb標準の進化史 流行に振り回されず学び続けるために

【A-1】「とほほのWWW入門」これまでの30年とこれからの30年

言語もフレームワークも移り変わる中で、変わらない開発の悩み

プログラミング言語の進化:第一世代から第三世代、杜甫々氏の活動期間との対比
プログラミング言語の進化:第一世代から第三世代、杜甫々氏の活動期間との対比

 杜甫々氏は、プログラミング言語の進化を3世代に分けて紹介した。C言語やCOBOL、FORTRANといった第1世代、PerlやJavaScript、PHPなどのスクリプト言語が増えた第2世代、そしてScalaやRustのような「速くて安全なC言語」的な言語や、TypeScriptへ進化したJavaScriptが登場した第3世代である。ただし、TypeScriptが2012年に登場してから14年ほどの間、新しく流行しそうな言語は少ないと感じているといい、「熟成しているのか、停滞しているのか、どうなんだろうな」と述べた。この先はAIでプログラミングしていく時代になるため、新しい言語自体が生まれてこないかもしれない、という見方も示した。

 Web標準についても触れ、HTML 4.0が仕様として廃止され、現在はバージョンを持たず日々更新されるHTML Living Standardが標準資料になっていることを紹介した。直近では、<select>で選択された項目にスタイルを当てるための<selectedcontent>要素が2025年7月にHTML Living Standardへ採用された一方、<param>要素は削除されたという。さらに、位置情報やカメラ・マイクへのアクセス許可を扱う<geolocation>要素と<usermedia>要素についても、追加するかどうかが審議されている段階にあると紹介した。CSSに関しては、JavaScriptを使わずにカルーセルやスクロール駆動アニメーション、ビュートランジションなどを実現できるようになったこと、ネストや関数、if文がサポートされるようになったことを取り上げた。JavaScriptについては、2015年のES6で大きな進化があった後、ブラウザで動く言語という性質上、互換性を損なうような大きな変更は少なく、比較的安定してきているとした。今後、ブラウザがTypeScriptを直接サポートするようになるのかどうかには関心があるとも語った。

好きなフレームワークは「Vanilla JS」と即答する理由

フレームワークの進化:Ruby on Rails、Laravel、Djangoなど言語別の変遷年表
フレームワークの進化:Ruby on Rails、Laravel、Djangoなど言語別の変遷年表

 フレームワークについても、Ruby on RailsがRubyでは一貫して主流であり続けていること、PHPではLaravelの存在感が増していること、Pythonでは長らく主流だったDjangoに対して近ごろはFastAPIの採用が増えていることなど、言語ごとの流れを紹介した。そのうえで「一番好きなフレームワークは何ですか」とよく聞かれると明かし、答えは決まって「Vanilla JS」だと語った。Vanilla JSはジョークサイトとして知られ、機能を選んでダウンロードしても常にファイルサイズが0バイトになる、生のJavaScriptをそのまま使えばよいという趣旨のネタフレームワークだ。

 あまりフレームワークに頼りたくない理由として、杜甫々氏は自身が携わってきたプロジェクトの多くが20年、30年単位の長期運用であることを挙げた。フレームワークにはサポート期間があり、それが切れると別のフレームワークへの乗り換えや作り直しが必要になったり、バージョンアップへの追随が負担になったりする。「開発のときには、確かにフレームワークを使うと開発コストは下がるんですけれども、作った後の運用コストというのも考えて、そのバランスを考えながらうまく使っていかなくちゃいけないな」と述べ、小規模なものは自作することが多いと語った。技術選びの基準を語った杜甫々氏は、続けて、30年間かけて培ってきた学び方のコツについても触れた。

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目次に○と●をつけるだけ、シンプルな学び方

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

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岩本 隆之(イワモト タカユキ)

 1986年 兵庫県神崎郡出身 2009年 関西大学卒業 学生時代より写真・映像制作を行う。 写真撮影スタジオ勤務ののち、2020年独立。 現在は大阪市在住。 広告写真を中心としながら、ジャンルを問わず活動中。 HP Instagram

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