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GitHub Universe 2026 レポート

「AIは物語を書かない。あなたが書く」AI slopに向き合うGitHubが示した、メンテナーを守る機能と人間の役割【GitHub Universe 2026】

GitHub Universe 2026 Day2 Closing Keynoteレポート

近藤 佑子(編集部)[著]


メンテナーが「いまはPRを受け付けません」と言えるように

 GitHubの答えは、貢献を増やす方向ではなく、メンテナーの手に制御を戻す方向だった。メンテナーと話すなかで、オープンソースを楽しく保つにはより多くの制御が必要だと分かったという。Woodward氏が挙げたのは3つである。リポジトリに作業中の件数の上限(work-in-progress limit)を設け、貢献者は見てほしいPRを1つか2つ(設定による)に絞り、マージかクローズされるまで次を出せなくする。過去にPRがマージされた人だけが貢献できるよう、やりとりの制限(interaction limits)を設定する。そして、「いまは、PRを受け付けません。ありがとう、大丈夫です」とただ言える機能である。「ずっとオープンソースの人間として、実行する前に少し考え込みました」とWoodward氏は明かした。

 メンテナーの多くは、空き時間にボランティアで、世界が頼るコードを支えている。フォークして機能を足すことはできても、変更を受け入れるかはメンテナーが決める。「オープンソースは、許可を求めずに調べ、リミックスし、共有する自由です。ですが、自分の意志を他人に押しつける自由ではありません」。

 AIは、メンテナーの側の道具にもなっている。Woodward氏が例に挙げたのは、プリンターのドライバーなどを扱うOpenPrintingである。メンテナーに足りなかったのは専門性ではなくインフラで、CNCF(Cloud Native Computing Foundation)のJorge Castro氏のチームが、CNCFのフレームワークを4つのプリンター関連リポジトリに入れ、保守とCI/CDの作業を任せたという。「DevOpsをうまくやっているチームほど、AIを活かす備えができている」。人間が速く安全に動くために入れた仕組みが、エージェントも助けるからだ。

「何が良いか」を決める仕事は、AIに渡せない

 作るのが速くなっても、正しいものを作っていなければ意味がない。Woodward氏がここで持ち出したのが、人間の判断である。どんな問題を解こうとしているのかを正確に理解し、AIに解決を手伝わせる。自分たちのしていることが、問題を良くしているのか悪くしているのかを振り返る。その判断は、AIが与えてくれるものではない。「だから、それは『仕事(work)』と呼ばれるのです。何が良いかを定義するのは、あなたの仕事で、そのあとで初めて、AIがそこへ行く助けになります」。

 開発者とは何かが変わりつつあるいまも、GitHubには開発者が必要だとWoodward氏は言い切った。そのうえで、問いを次に進める。ソフトウェア開発はチームスポーツである。ならば、エージェントのチームと一緒に、どう決めていくのか。ここでGitHub NextのMaggie Appleton氏にバトンを渡した。

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計画を「1人でやる」のをやめる、GitHub Nextの共同計画ツール「Chopin」

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

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