サン・マイクロシステムズの技術者向けカンファレンス「Sun Tech Days 2008 in Tokyo」が、12月2日から東京ミッドタウン・ホール(六本木)で開催された。基調講演ではJava言語の生みの親として知られるジェームズ・ゴスリン(James Gosling)氏が、Javaを中心としたサンのITテクノロジーの最新動向を語った。
サン・マイクロシステムズの技術者向けカンファレンス「Sun Tech Days 2008 in Tokyo」が、12月2日から東京ミッドタウン・ホール(六本木)で開催された。基調講演では米サン・マイクロシステムズのフェローであり、Java言語の開発者として知られるジェームズ・ゴスリン(James Gosling)氏が、Javaを中心としたサンのITテクノロジーの最新動向を語り、JavaFX 1.0が12月4日に正式リリースされることがアナウンスされた。
ゴスリン氏はJava言語全体の現状や方向性を示しつつ、Glassfish、NetBeans、リアルタイムJava、JDK7、JavaFXといったさまざまなJavaを取り巻くテクノロジーやキーワードについての最新動向をとりまとめて、会場を埋めた600人以上のエンジニアにわかりやすくプレゼンテーションした。
ゴスリン氏は、世界には現在50億以上のJava対応端末があり、JREは1週間に1500万回もダウンロードされるという利用環境を示した。また、Java開発者は世界中に600万~1000万人を数える大きなコミュニティであり、Javaの初期には「一度書けばどこでも動く」と言っていたが、それは今でも有効であり、同じようにエンジニアは「一度学べばどこでも仕事ができる」と開発言語として選択する優位性を主張した。
Java関連テクノロジーとして、まずGlassFishアプリケーションサーバーの最新版として11月にリリースされた「v3 Prelude」に触れ、その特徴として、モジュール化されたことを挙げた。最小構成が100KB以下なので、デバイスにアプリケーションサーバーを組み込むことができ、Web上で管理できる。なお、v3 Preludeは、NetBeanse 6.5にバンドルされている。
NetBeanseについては、Eclipsより大きなコミュニティで利用される最高のIDEとし、JavaのほかC/C++、RubyやJavaScriptなどをサポートしているが、今後も新しい言語に対応ていくとした。特徴として、実行中のアプリケーションサーバー内でデバッグを実行できることを挙げ、携帯電話でも実際のデバイスでデバッグできることがクールだと語った。
今回正式版公開が発表されたJavaFXでは、Javaプラットフォーム上で動作するリッチインターネットアプリケーションを簡単に作成できる。Gosling氏は、美しいスキンの作成やクロスフェードやシャドーなどの機能を実装できるほか、ローカル/リモートどちらでもコンパイルが可能だとその特徴をアピールした。なお、JavaFX 1.0は、米国時間の12月4日に公式サイトで公開される。
また、ここ数年の動向として、開発チームの変化を挙げた。以前は開発チームは全員がエンジニアで構成されていたが、今ではアートスクール出身のデザイナーなども関わるようになってきている。この変化に対しても、Javaが提供するさまざまなツールのチェーンをつくることによって対応できると語った。また、画面があるデバイスなら何でも対応できるとし、ケーブルテレビのセットトップボックスや、ブルーレイレコーダーでも実行される例を挙げた。
最後に、開発者コミュニティのサイトには、本カンファレンス最終日でもある12月4日夜ごろに新しい情報が大量に掲載される予定であり、ぜひアクセスしてほしいと語った。
【関連リンク】
・Sun Tech Days 2008 in Tokyo
・JavaFX公式サイト
・Java.net
【関連記事】
・フリーの統合開発環境「NetBeans 6.5」正式版リリース
・Gosling氏、今回もアレを投げた!(CodeZine編集部ブログ)
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