「Microsoft tech・days Japan 2009」は、エンジニア向けのセッション中心のイベントだが、パートナー企業による製品や技術展示も行われている。エンドユーザー向けのサービスよりもその背景技術や基礎技術などの展示が多く、まさにプロフェッショナル向けだ。本稿では、組込みデータベースとデータベースソリューションで有名なアイエニウェア社のブースの様子を紹介する。
「Microsoft tech・days Japan 2009」は、エンジニア向けのセッション中心のイベントだが、パートナー企業による製品や技術展示も行われている。エンドユーザー向けのサービスよりもその背景技術や基礎技術などの展示が多く、まさにプロフェッショナル向けだ。
組込みデータベースとデータベースソリューションで有名なアイエニウェアのブースでは、自然言語解析のアプリケーションと地図データを利用したソリューションの展示を行っていた。Answers Anywhereは、同社の自然言語解析などを行うミドルウェアだ。会場では、音楽CDのデータベースを検索するユーザーアシストアプリケーションをデモしていた。これは、音声認識エンジンにNECの製品を利用し、ユーザーとの画面インターフェイス部分にWPFを用いてリッチエクスペリエンスな検索を可能にしている。
Answers Anywhereを利用しているため、単なるキーワード検索だけでなく、「カラオケで盛り上がる曲」といった自然言語での検索やあいまいな情報でも目的のCDにたどり着けることが特徴となっている。画面の見た目だけでなく、操作感にも自然言語というリッチインターフェイスを与えるというわけだ。
地図データの検索システムは、同社のGISエンジンであるMapletをベースにSQL Anywhereと組み合わせて地域ごとの施設や店舗を検索するデモだった。これも、検索キーワードに自然言語形式の入力が可能になっており、検索の幅が広がっている。同社のデータベースは組込み用のエンジンもラインナップされ、クライアント側にデータを持たせることも可能だが、大規模なデータはやはりクラウドに任せたほうがよい。
このように大規模データベースサービスはクラウドとの相性がよいが、同社のソリューションの特徴は、自然言語解析による操作に柔軟性を与えることと、ユーザーごとの履歴や属性情報を活用したビジネス展開を考えていることだろう。CDや地図の検索では、ユーザーが使い込むほど、行動属性やターゲティング情報が蓄積される。CDショップならあいまい検索でもヒット率の高いレコメンド情報を提供できたり、地図サービスは実際に不動産情報の検索サイトにも応用されているという。
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中尾 真二(ナカオ シンジ)
フリーランスのライター、エディター。アスキーの書籍編集から始まり、翻訳や執筆、取材などを紙、ウェブを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは当時は言わなかったが)はUUCPの頃から使っている。
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