コベリティ日本支社は14日、ソフトウェア開発の全般に渡って支援する開発ツールスイート「Coverity Integrity Center」を同日より販売開始することを発表した。同社はオープンソースソフトウェアの構造解析結果をサイトで提供していることでも知られている。
コベリティ日本支社は14日、ソフトウェア開発の全般に渡って支援する開発ツールスイート「Coverity Integrity Center」を同日より販売開始することを発表した。
コベリティは、スタンフォード大学の教授や学生が創設したソフトウェア解析ツールを手がける企業で、広く使われているオープンソースソフトウェアに対し、同社の解析ツール「Coverity Architecture Analyzer」を使った構造解析情報をサイトで提供していることでも知られる。
従来より単体製品として提供されていた、静的コード解析ツール「Coverity Prevent」、動的コード解析ツール「Coverity Dynamic Analyzer」、構造解析ツール「Coverity Architecture Analyzer」に加え、今回新たにビルド解析ツール「Coverity Build Analysis」をバンドルし、包括的なソフトウェア解析スイートとして初めて提供される。これによってプログラム本体の他、開発プロセスを含めた全てのステップで自動解析が可能となり、ソフトウェアの開発生産性・品質の向上が期待できる。
今回追加されたCoverity Build Analysisは、ビルドプロセスにおける、コンパイルの失敗、テストの失敗、潜在的な不具合、悪意のあるユーザーよる破壊、といった様々な欠陥を改善する製品。主な原因となっている、モジュールやプロセスの依存関係のブラックボックス部分を可視化できる他、意図しない領域へのファイルアクセスの捕捉や、クリーンアップに失敗したファイルの検出、冗長プロセスの検出等、ビルドの整合性チェック機能も備えており、ボトルネックを識別して開発サイクルを加速する。
また、ビルドが利用したコンポーネントリストを生成して、サードパーティやオープンソースの利用状況を捕捉できるため、セキュリティやコンプライアンスの面でもメリットがある。同社の調べでは、アンケート参加者の約4割が年間100~200万ドルの開発コストを節約し、より重要なタスクへリソースを割り当てることができたと述べている。
Coverity Integrity Centerのコード解析部分が対象とする開発言語はC/C++、C#、Java。価格体系は4製品全てを含んだ年間ライセンス契約で、ソースコード1,000行につき12,250円。なお、今回追加されたCoverity Build Analysisは単体製品としては販売されず、サポートOSとして現在のところLinuxを主体としたUNIXシステム、将来的に拡張してWindowsもサポートすると述べている。
【関連リンク】
・Coverity Integrity Center
・scan.coverity.com(オープンソースソフトウェアの解析結果)
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斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)
株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...
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