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「Microsoft Tech・Days 2010」開幕、国内でのクラウド活用事例も続々と

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 2月23日、マイクロソフトの次世代プラットフォームを披露するイベント「Microsoft Tech・Days 2010」が開幕した。昨年11月に米国で開催された「Professional Developers Conference 2009(PDC09)」の主な見所に、日本での最新動向を交えた計40セッションが予定されている。会場はホテル グランパシフィック LE DAIBA(東京都港区)で、会期は23日から24日までの2日間。

Windows Azure環境で開発者の重要性はより高まる

 初日のキーノートでは、2月から正式稼働を開始したクラウドコンピューティングプラットフォーム「Windows Azure」の話題を中心に、最新技術情報や日本での事例紹介がダイジェストとして講演された。

 マイクロソフト株式会社の大場章弘氏は、「クラウドというと様々なコスト削減の視点で語られることが多いが、実際にエンドユーザーに使ってもらうことが重要。堅牢で信頼性のあるシステムと、端末側の3つのスクリーン(PC、テレビ、携帯)により、全体として価値のあるものを実現する必要がある。そのためにシステム、アプリケーション開発は必須で、今後も開発者の重要性はより高まっていく。マイクロソフトではそのための支援を積極的に行っていきたい」と、開発者に対する同社の姿勢をまず強調した。

マイクロソフト株式会社 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏
マイクロソフト株式会社 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長 大場章弘氏

 続いて、Windows Azure Platformについて、次々と実装されていく新機能や、外部との自在な連携が可能になった最新のアーキテクチャの様子を紹介した後、国内で先行導入している企業のうち、代表的な5社による事例紹介が行われた。

Windows Azureの新機能
Windows Azureの新機能

国内でのWindows Azure先行導入事例

 グーモでは、EC機能と連携した動画配信サービス「goomo」にWindows Azureを適用しベータ版を公開。「テレビ局の子会社として動画配信はミッションクリティカル。Windows Azureで、より安定し、スケーラブル、低コストの運用ができるのではないかと考えている。一日も早いCDNの正式サービスインを期待」(グーモ株式会社 松岡清一氏)と、Windows Azureの統合環境で行う運用管理に期待を寄せる。

動画配信サービス「goomo」でのアーキテクチャ
動画配信サービス「goomo」でのアーキテクチャ

 ソフトバンククリエイティブでは、Webメディア「ソフトバンクビジネス+IT」で、トラフィック集中による突出した負荷を計画的に分散するためにクラウドを利用。「外部に出せない会員情報を社内に置きつつ、社外とのシームレスな連携によってハードウェアリソースの問題を解消できた。今後は長年蓄積したWebコンテンツ管理の技術・ノウハウをSaaSで提供したい」(ソフトバンククリエイティブ株式会社 松尾慎司氏)と、新ビジネス展開への意気込みを語る。開発を手がけたリード・レックスの近江武一氏は「Windows Azureへの移行はハマるポイントをいくつか押さえておけば難しくない。新しい流れの始まりと捉え、今回得たノウハウを他の製品にも活かしていきたい」と述べた。

トラフィック集中による負荷をクラウドで解決
トラフィック集中による負荷をクラウドで解決

 宝印刷では、同社の主な業務である、上場企業の企業情報開示の支援にWindows Azureを適用。機密性の高いデータはセキュアなオンプレミスのデータセンターで守り、アプリケーション部分はクラウド上に置くことで、3月決算等での負荷集中をハイブリッドなソリューションで解決する様子を示した。宝印刷株式会社の青木孝次氏はメリットの一つとして、既存のアプリケーションが.NETベースだったため、クラウド上に移行する際の工数を抑えつつ、開発期間を短縮できたことを挙げている。

宝印刷でWindows Azureを採用した経緯
宝印刷でWindows Azureを採用した経緯

 富士通システムソリューションズは、ERPパッケージのクラウドへのマイグレーションを紹介。パブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスのシームレスな連携によって、仮想的にデータベースを統合し、ハイブリッドクラウドを実現する様子が示された。「当初、海外サーバーとのレイテンシやタイムゾーンの差異等に悩まされたものの、データ周りの大きな変更はなく、スムーズにマイグレーションが進んだ」と、株式会社富士通システムソリューションズ 千原健太郎氏。

オンプレミスとクラウドを連携してデータベースを仮想的に統合
オンプレミスとクラウドを連携してデータベースを仮想的に統合

 キヤノンは、クラウドと連携する新しいマルチファンクションプリンタの試みを紹介。クラウド上のドキュメントとの安全・簡単な接続、クラウドアプリ用のSDKの準備等、クラウド環境への対応を進めていることを説明した。「キヤノンでは環境の変化を新ビジネスのチャンスと捉えており、マイクロソフトの『3スクリーン+クラウド』も自社のビジョンと近い世界観。積極的に新しいビジネスチャンスを開拓していきたい」(キヤノン株式会社 早川直司氏)と抱負を述べた。

マルチファンクションプリンタのクラウド対応
マルチファンクションプリンタのクラウド対応

技術セッションのプレビューも紹介

 キーノートの後半では、午後以降のセッションのプレビューとして、Windows 7のセンサーAPIを利用した電力消費量モニターのデモ、WebカメラをサポートするSilverlight 4を使った「ジェスチャーで画面を操作する」デモ、Windows PhoneやVisual Studio 2010の紹介等が行われた。

 昨年同様、SilverlightのSmooth Streaming機能を活用した、各セッションのストリーミング配信も後日公開される予定となっている。

 
【関連リンク】
Microsoft Tech・Days 2010

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