はじめに
MicrosoftのInternet Explorer(以下、IE)は、パソコンのWebブラウザにおいて最大のシェアを誇っています。このソフトは、手軽に利用できるWebブラウザというだけでなく、ユーザーが必要に応じて機能追加ができるという特徴があります。その機能追加の方法の1つに、コンテキストメニュー(ブラウザ上を右クリックして表示するメニュー)へのソフトの登録があります。この方法を使うことで、自分が必要な機能をIEに追加することができます。
コンテキストメニューに追加するソフトは、HTMLとJavaScriptの簡単な知識があれば作成できます。本記事では、このコンテキストメニューに追加するソフトの作成、およびこのコンテキストメニューに簡単にソフトを登録することができるインストーラの作成の2点を行います。
コンテキストメニューに登録するソフト(以下、「コンテキストメニュー用ソフト」と表記)では、IEの選択範囲のソースコードの「表示」、およびその選択範囲の「削除」、「書き換え」機能を実装します。また、コンテキストメニューにソフトを登録するインストーラ(以下、「コンテキストメニュー・インストーラ」と表記)では、ユーザー変数を書き換えるだけで、簡単に新しいソフトの登録を行えるプログラムを作成します。
どちらも、非常に簡単に作成できるものです。これらの知識を応用して、IEを利用している方は、自分で必要な機能を備えたソフトを作成してみてください。
以下に利用イメージを示します。


本記事は、以下の順序で進みます。
- 「コンテキストメニュー・インストーラ」の作成
- 「installer.vbs」の作成
- (解説)コンテキストメニューのレジストリについて
- ユーザー変数の初期化
- 変数の初期化とメインフロー
- 「インストールダイアログ」Subプロシージャ
- 「レジストリの編集」Subプロシージャ
- まとめ(完成プログラム)
- 「コンテキストメニュー用ソフト」の作成
- 「source_view.html」の作成 - テキストエリアやボタンのレイアウト
- 変数の初期化
- 「選択範囲の表示」関数
- 「選択範囲の削除」関数
- 「選択範囲を書き換え」関数
- まとめ(完成プログラム)
なお、2.以降の項目は後編で解説します。
対象読者
JavaScriptをある程度使いこなせる人、およびHTMLに関して基本的な知識がある人を対象にしています。
「コンテキストメニュー・インストーラ」の作成にはVBScriptを使っていますが、これはユーザー変数を書き換えるだけで流用できるプログラムですので、特にVBScriptを理解していなくても、そのまま書き換えて利用することができます。もちろん、VBScriptをある程度使いこなせる人にとっては、ソースコードも参考になるでしょう。
必要な環境
IE 4.0以上が必要です。また、本プログラムはHTMLとJavaScriptをベースに作成しています。そのため、IEの設定や、IEコンポーネントを利用したタブ・ブラウザの設定、セキュリティ関連ソフトの設定次第では実行できない場合があります。もし、うまく実行できない場合は、それらのソフトの設定を確認して、JavaScriptの実行を許可するなどしてください。
本プログラムは、Windows 98+IE 6環境、およびWindows XP+IE 6環境でテストされています。
「コンテキストメニュー・インストーラ」の作成
以下、「コンテキストメニュー・インストーラ」を作成していきます。作成は、以下の手順で進めていきます。
- 「installer.vbs」の作成
- (解説)コンテキストメニューのレジストリについて
- ユーザー変数の初期化
- 変数の初期化とメインフロー
- 「インストールダイアログ」Subプロシージャ
- 「レジストリの編集」Subプロシージャ
- まとめ(完成プログラム)
「installer.vbs」の作成
まずは、「installer.vbs」という名前の空のテキストファイルを作成します。ファイルを作成する場所はどこでもよいので、「C:\CodeZineSample\installer.vbs」などの適当なパスに作成します。
また、今回の記事では、この「installer.vbs」以外に「source_view.html」というファイルを作成します。この2つのファイルは、同じフォルダ内にある必要があります。この「installer.vbs」は、VBScriptのファイルとなります。このファイルを実行することで、IEのコンテキストメニューに、「source_view.html」を登録することになります。