チェコのJetBrainsで、プログラミング言語「Kotlin」の開発を行っているDmitry Jemerov氏は、Kotlin公式ブログの4月14日(現地時間)付の記事で、バージョン1.0以降のロードマップを公開した。
Kotlinは、JetBrainsのAndrey Breslav氏とDmitry Jemerov氏が開発した、Java仮想マシン(JVM)上で動作するオープンソースのプログラミング言語。コードの再利用が可能で、ヌルポインタ例外の発生を防ぐ仕組みを備えており、サーバサイドで動作するアプリだけでなく、AndroidアプリやWebブラウザで動作するフロントエンドの開発にも対応する。
現在、Kotlinの開発は、バグフィックスやツールのアップデート、IDEのサポートなど、言語の中核部分に影響しない開発を行うバージョン1.0.x系列と、バージョン1.0.x系列の成果に加えて、新たな言語仕様を採用するバージョン1.1の、2つのブランチに分かれている。
「Kotlin 1.1」で採用する新たな言語仕様のうち、もっとも重要なものはコルーチン(async/await/yield)の採用で、C#やPython、Dartが採用しているasync/awaitの仕組みをKotlinにも取り入れる。
ただし、これらの機能はライブラリではなく、コンパイラへの実装を目指しており、開発の進み具合によってはバージョン1.1には間に合わず、それ以降のバージョンへの実装になる可能性もある。
その他の新たな言語仕様としては、階層構造を持つデータクラス、タイプエイリアス、ラムダ式の非構造化、バウンドメソッド参照、ローカル変数のデレゲートなどの採用を予定している。
さらに、Java 8/9やJavaScriptのサポート、IDEにおけるフレームワークのサポートやコードへの助言/修正機能の搭載、およびインラインメソッドをはじめとする各種ツールの再実行などを行う。
なお、すでに公開されているAndroid版のロードマップでも言及済みだが、Gradleによるインクリメント・コンパイルと、AndroidのLintチェックのサポートは、「Kotlin 1.0.2」のEAP(Early Access Preview)ビルドにおいて実装されている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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