インターシステムズジャパンは9月29日、メディア向けに同社の米国本社が7月12日(現地時間)に発表した新しいブランドコンセプトについての説明会を開催。コーポレートロゴの変更の理由や目的や企業哲学などを明らかにした。医療分野に特化しているイメージの強い同社だが、従来はしてこなかったというブランドコンセプトや企業哲学をこれからは積極的にアピールし、より広い分野でのユーザー獲得をねらう。
インターシステムズジャパン 日本統括責任者の植松裕史氏は、新コーポレートロゴには、インターシステムズ(InterSystems)のソリューションがデータ形式やデータベース、プロトコルなどが異なるシステム群の中央に座り、スムーズな連携を実現するイメージが込められていると説明。ロゴの左側にあるマークの中央が白抜きの「I」であることがその表現であるという。また、社名の「InterSystems」の下に、従来のロゴにはなかった「Health|Business|Government」というタグラインを追加し、医療、ビジネス、官公庁の各領域で同社のソリューションの認知や展開を広げていくことを表明した。
インターシステムズは1978年に米国ケンブリッジで創業。当初から医療分野を中心にビジネスを展開しており、この分野では盤石のユーザー層を構築した。現在では、金融業界や流通業界などでも利用が広がっている。その反面、「インターシステムは医療分野向けというイメージが先行してしまい、(特に日本市場で)他業種での認知・利用拡大の足かせになっている。また、社名だけの従来のロゴではどの分野で、どのような活動をしているのかが伝わりづらかった」(植松氏)といい、「Health|Business|Government」というタグラインの追加はそれを打破するため、と植松氏は説明した。
そのほか植松氏は、同社の企業哲学として「ビジネス哲学——4つのP(株式非上場、堅実な収益性と健全な財務体質など)」や「製品デザイン哲学——I・R・I・S(I:相互運用性、R:信頼性、I:直感的、S:拡張性)」「サポート哲学(顧客第一主義、顧客を熟知した勤勉なスタッフなど)」を紹介。それらを実装した製品やソリューションが顧客ビジネスを支援することをアピールした。
IoT時代で強みを発揮する
インターシステムズが提供する製品、ソリューションの中核となっているのは、同社がマルチモデル型データプラットフォームと呼ぶDB製品の「Caché」だ。スキーマレスモデル(多次元データアクセス)、完全スキーマ(リレーショナル、オブジェクト(クラス))、セミスキーマ(XML、JSON)のいずれでもデータを管理できる。また、高いパフォーマンスとスケーラビリティも優位点と同社は胸を張る。また、Cachéを組み込んだデータ連携基盤製品「Emsemble」は、スポーク&ハブ型で多種多様なシステムの間をつなぐほか、相互にやり取りしたログをCachéに記録することで検証作業などを行う際の手間を軽減しているという。
インターシステムズジャパン ビジネスディベロップメント シニア・マネージャーの佐藤比呂志氏は、IoTの実現にはデータ管理にまつわる課題があるが、CachéやEmsembleが製品がそれを解決することを説明した。
IoTでは人間を介さず機械の間だけで処理が進む場面が多くなる。このときに必要となるのが、システムが状況を正しく判断し、正しいデータ(Right Data)を正しい時間(Right Time)に正しい量(Right Volume)で、正しい人(Right Person)に向けて正しいアクション(Right Action)を行えることだ。「IoTの重要なポイントは、これら『5つのR』を実現し、デバイスやシステムの間でのオープンインターオペラビリティを達成すること」(佐藤氏)
さらに、低レイテンシーや高スループット、多種多様なデバイスやデータへの対応、リアルタイムでのアクションといった技術課題のクリアも必要だという。しかし、これらの課題は先に述べたような特徴を持つCachéやEmsembleなら解決できる。リアルタイムでのアクションには、業務系データベースをリアルタイムで分析できる「アクション・アナリティクス」機能もある。佐藤氏はそう語り、インターシステムズがIoT時代に強いデータソリューションを持つことを強調した。
なお、非構造データへの対応強化として、「iKnow」というテキスト解析の新機能の日本語対応版を、来月にも発表予定という。
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