Googleは11月7日(現地時間)、Agent Development Kit(ADK)に新たな機能「ユーザーシミュレーション」を追加したと発表した。
従来の対話エージェントのテストでは、ユーザー入力と期待出力を個別に記述し、少しの仕様変更でも多くのテストが破綻するなど、手間や保守コストが高い課題があった。今回追加されたユーザーシミュレーション機能は、ユーザー側の会話を大規模言語モデル(LLM)で動的に生成し、開発者が高レベルな会話目標(ゴール)を設定することで、その目標達成までの対話を自動で評価できる。
シナリオは、開始プロンプトと目的を自然言語かつJSON形式で定義する。実際の会話はシミュレータが自動生成し、プロンプト単位でのスクリプトは不要だ。
会話のスタイルやエージェントの実装に軽微な変更があっても、主要な目標が達成されていればテストは合格と判定されるため、堅牢なリグレッションテストが実現可能になる。
また、「EvalConfig」と呼ばれるファイルを用いてシミュレータの動作を詳細に設定できる。このファイルでは、使用するモデルや思考構成、ユーザーの挙動パターン、対話回数の上限などが指定可能で、様々なユーザー像に合わせた評価も行える。初回リリースではローカル環境での実行に対応し、迅速な開発サイクルを支援する。
同社は今後もエージェント開発・評価のためのシミュレーション機能を拡充していく予定だ。
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