Rubyコミュニティは12月25日、プログラミング言語Rubyの最新版となる「Ruby 4.0.0」を正式に公開した。今回のメジャーバージョンアップでは、多数の新機能や改善が盛り込まれており、開発および実行環境の強化が図られている。
主な新機能として、「Ruby Box」が実験的に導入された。Ruby Boxはクラスやグローバル変数などの定義を分離・隔離する機能で、環境変数RUBY_BOX=1の指定で有効化される。これにより、モンキーパッチの影響範囲を限定できるほか、WebアプリケーションのBlue-Greenデプロイやテストケースでの定義衝突防止など、さまざまな用途が想定されている。
次世代JITコンパイラ「ZJIT」も大きな特徴だ。ZJITはRust 1.85.0以降でビルドが必要で、「--zjit」オプションにより有効化できる。現時点では従来のYJITほどの速度には達していないが、より一般的な設計を採用しており今後の発展が見込まれる。
並列処理向けにはRactor関連の諸機能が強化された。Ractor::Portの新設によりメッセージ送受信の柔軟性が向上したほか、多くのデータ構造や同期処理も性能改善されている。
その他、Array#rfind、Binding#implicit_parameters、Enumerator.produceのサイズ指定など多くの言語仕様・コアクラス改善や、Unicode 17.0.0への対応、Set/Pathnameのコアクラステイクなども注目点だ。BundlerやRubyGemsの最新版も同梱されており、標準ライブラリも多数更新されている。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
