ヌーラボは同社が運営するプロジェクト管理ツール「Backlog(バックログ)」にて、プロジェクトの全課題を、一つのボード上で管理できる新機能「カンバンボード」を10月29日に発表した。2020年1月にベータ版をリリース予定。
代表取締役の橋本正徳氏は、ヌーラボについて「チームのコラボレーションを促進して、働くを楽しくするツールを提供している」会社だと説明した。「効率の追求より、使っていて楽しいツールの方が結果的に効率がよくなるのでは」という仮説のもと、「Backlog」に加え、ビジュアルコラボレーションツール「Cacoo(カクー)」やビジネスチャットツール「Typetalk(タイプトーク)」といった3つのサービスをを提供している。これらのツールはそれぞれ連携させることで、Typetalkでアイディアを交換し、ビジュアルで説明するときはCacooを使い、やりたいことが見えたらBacklogを使ってプロジェクトを管理するというふうに、アイディア創出から提供までの流れを支援することができる。
今回新機能が発表されたBacklogは、2005年にエンジニアのためのバグ管理ツールとしてリリースされ、現在ではエンジニア以外の事務職やデザイナーなど幅広いユーザーにもプロジェクト管理ツールとして利用されている。こうしたユーザー属性の変化を受け、ヌーラボは今後、エンジニアだけでなくすべての職種のユーザーに対象を広げ、より「チーム」にフォーカスした機能開発を進めていく。
こうした流れの中で発表されたBacklogの新機能「カンバンボード」は、Backlogのプロジェクトに作成された課題をカード状に表示し、課題の状態(「未対応」「処理中」など)ごとに列で整理して、プロジェクト全体を一望できるようにする機能。プロジェクトにあるすべての課題を可視化し、ホワイトボードに貼られたふせんのような感覚でドラッグ&ドロップすることで、直感的なタスク管理を実現する。
また、他のメンバーが編集した内容もリアルタイムで反映され、遠隔地にいるメンバーとの打合せなどもスムーズに行える。先日、スタータープランで利用可能になった「状態の追加機能」を用いて独自に追加された状態も利用できる。
さらに、新規のカードにテキストを1行書き込むだけで課題を追加することができ、よりスムーズなタスク管理が可能となっている。なお、カンバンボードの「カンバン」はカンバン方式を意味するものではなく、Backlogが特定の方法論に完全対応するわけではない。
カンバンボードのベータ版は、フリープランを含むすべてのユーザーが利用可能で、2020年1月以降順次リリースをしていく予定。対象はASPサービスでのブラウザ版で、スマホアプリやインストール型のBacklogエンタープライズでの対応は未定となっている。
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小林 真一朗(編集部)(コバヤシシンイチロウ)
2019年6月よりCodeZine編集部所属。カリフォルニア大学バークレー校人文科学部哲学科卒。
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