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オンプレからマルチクラウドへ――ZOZOTOWNの事例に学ぶシステム基盤刷新の秘訣【デブサミ2020】

【13-A-4】我々はZOZOTOWNのクラウドジャーニーを通じて何を学んだのか?

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2020/03/13 12:00

 株式会社ZOZOテクノロジーズは、日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」のシステム基盤を、オンプレからマルチクラウドを活用したクラウドベースへと刷新するプロジェクトを推進している。このプロジェクトを牽引するのが、川崎庸市氏が所属するリプレースチームだ。本セッションでは、プロジェクトのなかから「ZOZOTOWN」のバックエンド参照系APIシステムの刷新にフォーカス。リプレースに取り組んだ経緯やシステム基盤刷新によって得られた知見について川崎氏が語った。

目次
株式会社ZOZOテクノロジーズ 開発部 ZOZOTOWNリプレースチーム エンジニア 川崎庸市氏
株式会社ZOZOテクノロジーズ 開発部 ZOZOTOWNリプレースチーム エンジニア 川崎庸市氏

ZOZOTOWNの選択したリプレース戦略

 日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」ではもともと、オンプレをベースとしてインフラ基盤を構築していた。だが、サービスが成長してユーザー数・リクエスト数が増えるにつれ、徐々に課題が見えてきたという。

 例えばオンプレの場合、リソース調達にはどうしても時間がかかってしまう。インフラの構築・運用にかかる人的コストも大きい。さらに、パフォーマンスやコストの最適化を目的としてサーバーのスケーリングを行いたい場合、オンプレでは対応が難しい。

 こうした課題を解決するため、「ZOZOTOWN」のインフラ環境をオンプレからクラウドベースへと刷新するプロジェクトがスタートした。本セッションのなかで川崎氏が解説したのは、プロジェクトのうち、バックエンド参照系APIシステムの刷新において取り組んだ施策だ。

リプレース対象である参照系APIのアーキテクチャ。図はリプレース後の状態を示す。
リプレース対象である参照系APIのアーキテクチャ。図はリプレース後の状態を示す。

 このインフラ刷新においては、バックエンドの処理でスケーラブルにする必要がある部分を、API化して疎結合にする形をとった。もともとはデータベースにストアードプロシージャでの問い合わせを行っていた処理を、APIを経由してSQL発行する形をとったのだ。リプレース戦略においては、3つの軸を大切にしたという。

1.サブシステムごとに段階的に実施

 全システムのインフラを、一気に切り替えるような形はとらない。サブシステムごとに段階的にクラウドベースに刷新する。

2.NoOps・LessOps

 構築・運用のコストを省力化するため、PaaS、SaaSなどできるだけ抽象化・自動化されたサービスを活用していく。

3.クラウド中立(Cloud Agnostic)

 マルチクラウド、クロスクラウドで構成可能にするため、特定クラウドプラットフォームに過度な依存をしないようにツールやサービスの選定・設計を行う。

 「クラウドプラットフォームとして選択したのは、Microsoft Azureです。認証サービスである『Microsoft Azure Active Directory』の利便性の高さや、『ZOZOWOWN』と相性の良いデータベースマネージドサービスが存在していること、そしてマネージドサービスの種類が豊富であることなどが、決め手になりました」(川崎氏)

 また、クラウドプラットフォームのSingle Point Of Failure(単一障害点)を回避し、安定的にサービスを運用する意図から、Microsoft AzureとAmazon Web Servicesのマルチクラウド構成を選択した。


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著者プロフィール

  • CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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