IDC Japanは、Dockerなどのコンテナ仮想化技術(以下、コンテナ)とコンテナオーケストレーションツールのKubernetesの導入状況に関する調査結果を、5月12日に発表した。
本調査は、2020年の2月に実施され、国内の企業および組織458社を対象としている。
コンテナの導入状況について調査した結果、本番環境で使用している企業は14.2%となり、2019年調査から5.0ポイント上昇した。2017年調査から2019年調査まで数ポイントの上昇にとどまっていたが、2020年調査では上昇し、本番環境での導入率が2桁になった。CaaS(Container as a Service)などのコンテナ向けクラウドサービスやベンダーとSIerのコンテナ導入支援の充実化が、企業のコンテナ導入を後押ししていることが伺えた。
さらに、導入構築/テスト/検証段階にある企業は18.6%、導入計画/検討にある企業は19.0%となり、今後本番環境で使用する企業がさらに拡大することが見込まれる。また、コンテナを知らないという回答が2020年調査では減少し、コンテナが市場全体で認知されてきていることが分かった。
コンテナを本番環境で使用している企業と導入構築/テスト/検証段階にある企業を対象に、コンテナ環境で使用しているコンテナオーケストレーションツールについて調査した結果、54.7%の企業がKubernetes(コミュニティ版)を使用しており、2019年調査の45.5%から上昇した。次に多く使用されているのが、Kubernetesを含むベンダーディストリビューションであるRed Hat OpenShift Container Platform(以下、Red Hat OpenShift)で、24.0%(2019年調査は19.8%)となった。
コンテナの導入促進要因について調査した結果、「開発者の生産性の向上」(25.3%)が最多で、次いで「アプリケーション運用の効率化」(24.7%)、そして「アプリケーションのポータビリティの向上」(23.3%)だった。コンテナを活用することで、アプリケーションの開発環境やテスト環境を迅速に構築/デプロイすることができるため、開発者の生産性を向上することが可能。また、アプリケーションの運用性が高まることもコンテナの主要な導入促進要因となる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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