Linux/macOS/BSDといったPOSIX準拠のOSにおいて、Windowsアプリケーションの実行を可能にする互換性レイヤであるWINEの開発チームは、最新安定版となる「Wine 6.0」を、1月14日(現地時間)にリリースした。
「Wine 6.0」では、NTDLL、KERNEL32、GDI32、USER32などコアDLLをPE形式で構築しており、PEモジュールからUNIXライブラリを呼び出せるようになり、Win32 APIでは処理できない関数も扱えるようになっている。
なお、Winelibモジュールはlibwine.soに対してリンクされなくなっており、古いバージョンに対してビルドされたWinelibモジュール実行のためにlibwineライブラリは引き続き提供されるが、非推奨であり将来的には削除される。
また、WineD3D用の実験的なVulkanレンダラが実装されており、今回リリースされた「Wine 6.0」では、シェーダーモデル4および5(Direct3D 10および11)の変換のみ対応する。Direct3D 11の、レンダーターゲットごとのブレンド、デュアルソースブレンディング、マルチサンプルアンチエイリアシングサンプルマスクなどが実装されており、より多くのグラフィックカードを認識できるようになっている。
そのほか、DirectShowとMedia Foundationのサポートや、テキストコンソールの再設計をはじめとする、数多くの機能追加・修正が行われた。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です