米Appleの、プログラミング言語Swift開発チームは、最新バージョンとなる「Swift 5.4」を4月26日(現地時間)にリリースした。
「Swift 5.4」では、言語仕様上の変更として、関数・添え字・イニシャライザでの複数の可変長引数パラメータがサポートされたほか、暗黙のメンバ構文の拡張、結果ビルダの搭載、オーバーロードをサポートするローカル関数の追加、ローカル変数におけるプロパティラッパのサポートが行われている。
また、新たな並行処理モデルへの準備のため、コンパイラはawaitを識別子として無条件で使用した場合に、警告と修正を求めるメッセージを出力するようになった。なお、awaitは将来バージョンではキーワードとして解釈されるようになる。
さらに、以前のルックアップ結果をキャッシュするための、より高速なハッシュテーブルが実装されたことで、実行時のプロトコル適合性チェックが大幅に高速化され、一般的なas?およびas!のキャスト操作が高速化されるとともに、配列を連続して変更すると、冗長な一意性チェックが回避されるようになった。
そのほか、Swift Package Managerでは、バージョン5.4を指定するSwiftパッケージにおいて、ターゲットを実行可能ファイルとして明示的に宣言できるようになるとともに、ユーザーごとに依存関係がキャッシュされるなどの変更が加えられている。また、WindowsにおけるSwiftのサポートでは、Swift Package ManagerがWindowsで動作するようになったほか、WinSDKモジュールの拡張によって、より多くのAPIをWindowsアプリケーションで簡単に使えるようになった。
開発者エクスペリエンスでは、依存関係の個別での追跡によるビルドパフォーマンスの向上や、コード補完の高速化、リンクされた式の型チェックにおけるパフォーマンスの向上、Appleプラットフォーム上でのデバッグ時にURL、URLComponents、Notificationといった変数がXcodeの変数ビューに表示されるようになるなどの変更が加えられている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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