米Red Hatは、エンタープライズ向けLinuxディストリビューションRed Hat Enterprise Linuxの最新バージョンとなる、「Red Hat Enterprise Linux 9」を5月10日(現地時間)に発表した。今後、数週間での一般提供開始を予定している。
「Red Hat Enterprise Linux 9」では、イノベーションと生産の安定性の両方に最適化されたエクスペリエンスへのニーズなどに対応すべく設計されており、運用チームと開発者は既存のワークロードやシステムを放棄することなく、新たなイニシアチブを展開できるようになる。
さらに、主要なOS機能をサービスとして提供する機能も強化されており、コアプラットフォームの既存の機能をサポートするとともに、カスタマイズされたファイルシステム、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure、VMwareといった主要なクラウドプロバイダや仮想化テクノロジのイメージ作成をサポートしている。
なお、Red HatとAmazon Web Services(AWS)は、Red Hat Enterprise Linuxの最新バージョンをサポートするために10年以上協力を続けており、近年ではARM設計のGravitonプロセッサを使用するAWSインスタンスにおいてRed Hat Enterprise Linuxベースのワークロード実行を可能にした。「Red Hat Enterprise Linux 9」とAWS Gravitonプロセッサを統合することで、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)で実行されている幅広いクラウドワークロードのコストパフォーマンスを最適化できるようになる。
「Red Hat Enterprise Linux 9」にはほかにも、SpectreやMeltdownといったハードウェアレベルのセキュリティ脆弱性に対処するのに役立つ機能や、ユーザー空間のプロセスが悪質な可能性のあるコードにアクセスできないメモリ領域を作成できるようにする機能、整合性測定アーキテクチャ(IMA)のデジタルハッシュと署名が導入されるとともに、IBM Cloudでの利用が可能になるなど、さまざまな機能強化が行われている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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