米Slack Technologiesは、コミュニケーションアプリケーション「Slack」に大規模言語モデルの機能を組み込み可能にする仕組み「Slack GPT」を5月4日(現地時間)に発表した。SlackからOpenAIの「ChatGPT」やAnthropicの「Claude」などの大規模言語モデルの機能を利用しやすくなる。
Slack GPTを利用して大規模言語モデルを組み込むことで、多数の未読メッセージを要約したり、メッセージの下書きを送信前に要約するなどの機能が使えるようになる。
Slack GPTは、同社が4月24日に発表したSlackの全面的な刷新に伴って導入する機能。この刷新で、従来Slackの開発で利用していた「Electron」を捨て、新たに「Deno」を採用する。開発に使用する言語もJavaScriptからTypeScriptに移行し、Slack拡張機能の開発者に向けてはTypeScriptで使用できるSDKを提供する。全面的に刷新したSlackは、既存ユーザーに向けて段階的に提供していくとしている。
OpenAIはSlack向けのChatGPTである「ChatGPT app for Slack」をベータ版として公開している。利用するには、同社のWebサイトで待機リストに登録し、利用開始の知らせを待つ必要がある。AnthropicもSlack向けのClaudeをベータ版として公開しており、Slack app directoryで無償で提供している。
Slack Technologiesの親会社である米Salesforceが開発する大規模言語モデル「Einsten GPT」も組み込み可能になる予定。Einstein GPTは現在のところ、ごく一部のユーザーを対象に、試験的に提供しており、2023年の夏には一般提供が始まる予定だ。Einstein GPTを使用すると、Salesforceに蓄積したデータを学習して、顧客への対応を提案してくれる機能を使えるようになる予定だ。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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