Cloudflare、「Cloudflare Workers」と「Cloudflare Pages」の開発エクスペリエンス統合を開始

　米Cloudflareは、同社のCDNを拡張して高度にコンフィグ可能な汎用コンピューティングプラットフォームへと拡大することを目的とした「Cloudflare Workers」と、静的なWebホスティング「Cloudflare Pages」の開発エクスペリエンス統合を開始することを、5月17日（現地時間）に発表した。

　今回の、Cloudflare WorkersとCloudflare Pagesとの統合は、Cloudflare PagesにCloudflare Workersの強力な計算機能が搭載され、Cloudflare WorkersにCloudflare Pagesが導入した豊富な開発者機能を採用し始めたことで、両者の境界線が曖昧になり、開発者がどちらのツールを選ぶべきかが難しくなってきたことに起因する。

　Cloudflare WorkersとCloudflare Pagesの統合では、R2、Queues、D1といったストレージ製品とシームレスに統合され、CI/CD、GitOpsワークフロー、ライブプレビュー、柔軟な環境設定といった豊富なツールを提供する、強力なコンピューティングと超高速での静的資産ホスティングの両方を備えた単一の開発プラットフォームを目指している。

　具体的には、これまでのようにダッシュボードのあちこちでアプリケーションの断片を探し回る必要はなく、プロジェクトに必要なすべての情報を1か所で確認できるようにするとともに、「プロジェクト」の概念を再定義して静的アセット、サーバレス機能、リソース、またはそれぞれの組み合わせの追加を可能にする。

　さらに、静的アセット、サーバレス機能、リソースへのバインディングを自由に組み合わせたgitレポジトリをオプションで接続、構築、デプロイできるようになり、Cloudflare Pagesで利用可能なものと同等の高性能CIシステムも活用できるようになる。また、将来的にはWrangler CLIを使用することで、シンプルなWrangler開発やWranglerデプロイといった、プロジェクトで使用する統一され予測可能な一連のコマンドも提供される予定となっている。

　そのほか、Cloudflare WorkersとCloudflare Pagesの統合には、それぞれの製品が持つ開発者向け機能を単一の開発プラットフォームで実現するだけでなく、グローバルに分散された静的アセットによって超低遅延を実現するとともに、エグレス料金無料かつ無料の静的資産ホスティングも利用でき、標準ベースのJavaScriptランタイムが、すでに慣れ親しんでいるパッケージやライブラリの間でシームレスな互換性で実現する。

　今後1年間、Cloudflare WorkersとCloudflare Pagesのエクスペリエンス統合を目指して、同製品だけでなく裏方の製品、エンジニアリング、デザインチームも合体させていく。