米Wasmerは、WebAssemblyでPOSIX(Portable Operating System Interface)の機能を利用可能にする新しい仕様「WASIX」を5月30日に公開した。WASIは、WebAssemblyをWindows、macOS、Linuxで動作可能にするための仕様であるWASIを拡張したものだ。WASIでは、OSのファイルシステムやネットワークなどを安全に利用可能にするAPIを定義している。
WASIXは、マルチスレッド処理やバークレーソケット、プロセスのフォーク、DNSによる名前解決など、POSIXが定義する機能の多くをWebAssemblyで利用可能にする。現在のところWASIXはRustとC言語で利用でき、ZigやAssemblyScriptへの対応も予定している。
WASIXを利用したプログラムを作成するには、上記の対応言語でWASIXのAPIを使ってプログラムを記述し、WASIXのツールチェーンでビルドする必要がある。そしてそのプログラムを実行するにはWebブラウザか、WASIX対応ランタイムが必要だ。現時点でWASIXに対応するランタイムは「Wasmer」のみとなっているが、ほかのランタイムも対応する見込みだ。
今回WASIXの仕様を策定したWasmerは、今後の仕様策定にほかの企業や団体が参加することを期待しているとしている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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