米Oracleは3月19日(現地時間)、Javaプラットフォームの最新版となる「Java 22」の提供を発表した。最新のJava Development Kit(JDK)では、合計12のJDK Enhancement Proposal(JEPs)による大規模なアップデートと改良が施されている。
主要なアップデートは以下の通り。
Java言語の可読性を高める「Project Amber」からは、コンストラクタの動作を自由に表現できる「JEP 447:Statements before super」のほか、無名変数とパターンでJava言語を強化することで開発者の効率を高める「JEP 456:Unnamed Variables & Patterns」、 実行時に計算される値を含む文字列の作成を容易にし、Javaプログラムの開発を簡素化する「JEP 459:String Templates(第2プレビュー)」、そしてプログラミング学習者に配慮した「JEP 463:Implicitly Declared Classes and Instance Main Methods(第2プレビュー)」などの機能強化が行われた。
並列処理能力を強化する「Project Loom」からは、構造化された並行処理のためのAPI「JEP 462:Structured Concurrency(第2プレビュー)」が導入され、開発者によるエラー処理と取り消しを簡素化し、可観測性を強化した。さらに、スレッド内やスレッド間でデータを共有できる「JEP 464:Scoped Values(第2プレビュー)」も導入され、Javaプログラムの並列処理能力が飛躍的に向上した。
プラットフォーム機能を強化する「Project Panama」からは、Javaランタイム外のコードやデータと相互運用できるAPI「JEP 454:Foreign FunctionとMemory Java」、ベクトル計算を高速化するAPI「JEP 460:Vector API(第7インキュベーター)」が導入された。
コアライブラリおよびツール機能からは、Javaクラスファイルの解析・生成・変換のための標準API「JEP 457:Class-File API(プレビュー)」が提供され、開発者の生産性向上を支援する。他にも、複数のソースファイルの実行をサポートする「JEP 458:Launch Multi-File Source-Code Programs」、Stream APIの機能を拡張してカスタムの中間操作に対応する「JEP 461:Stream Gatherers(プレビュー)」が提供された。
パフォーマンスのアップデートとしては、「JEP 423:Region Pinning for G1」が導入された。米Oracleは、今後も6カ月ごとにバージョンアップを行っていく予定。
米Oracle Java プロダクトマネジメント担当 シニアディレクターのSharat Chander氏は、Javaの発展におけるコミュニティの重要性を説いた。国内で活動しているJavaグループが10あるほか、2023年5月にはJava認定資格者が100万人に到達するなど、日本の開発者もJavaの発展に貢献していると述べた。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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