情報処理推進機構(IPA)は、日本の企業におけるDXの現状や実態を把握すべく行った、DX推進指標に基づいて企業が提出した自己診断結果の分析を、「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2023年版)」として5月30日に公開した。
DX推進指標は、DX推進状況を自己診断するツールであり、DXの推進にあたって日本の企業が直面している課題や、それを解決するのに必要な事項を明らかにすべく設定されている。同指標では、35の項目についてそれぞれの企業が自社の成熟度を0〜5の6段階で評価する。成熟度レベルは、「未着手」(レベル0)〜「デジタル企業として、グローバル競争を勝ち抜くことのできるレベル」(レベル5)の範囲で定義されている。
今回、公開された2023年度版レポートでは、過去5年間で最多となる4047社からの自己診断結果を分析した。現在値の平均がもっとも高い指標は「9-4 データ活用の人材連携」の1.59で、「7 事業への落とし込み」「9-5 プライバシー、データセキュリティ」がそれに続いた。現在値の平均がもっとも低い指標は「4-3 評価」の1.00で、以下「4-4 投資意思決定、予算配分」「6-1 事業部門における人材」が続いている。
中小企業と大企業を比較すると、中小企業における現在値の平均は1.14で、大企業における現在値の平均2.11と約1ポイントの差があり、中小企業は相対的に成熟度レベルが低いことが明らかになった。とりわけ、経営の在り方や仕組みに関する指標である「経営視点指標」の方が、ITシステム構築に関する指標である「IT視点指標」よりも差が大きく出ている。
過去に提出がある企業とない企業の比較では、過去に提出がある企業の全指標の現在値の平均は2.22、過去に提出がなく2023年にはじめて回答した企業は1.16と、1ポイント以上の差がみられた。さらに、2年連続、3年連続で提出した企業の分析結果によれば、年を経るごとにすべての指標が向上している。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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