経済産業省と情報処理推進機構(IPA)は、企業・組織のDX推進を人材のスキル面から支援する目的で2022年12月に公開した「デジタルスキル標準(DSS)」のうち、「DX推進スキル標準」に生成AIに関する改訂などを行った、バージョン1.2を7月8日に公開した。
「デジタルスキル標準」は、すべてのビジネスパーソンが身につけるべきスキルを定義した「DXリテラシー標準」と、DXを推進する人材の役割および必要なスキルを定義した「DX推進スキル標準」の2つで構成されている。さらに、ビジネスパーソンに求められるスキルやリテラシの変化に対応すべく、2023年8月に「DXリテラシー標準」を改訂した。
今回の「DX推進スキル標準」における改訂では、生成AIの特性をはじめとした以下の補記を行ったほか、共通スキルリスト内の学習項目例を追加・変更している。
- 生成AIの特性
- 生成AIを含む新技術への向き合い方・行動の起こし方
- 生成AIに対するアクション:基本的な考え方
- 生成AIに対するアクション:詳細定義
- 個人として業務において生成AIを活用する例
- (ビジネス・業務プロセスの)生成AI製品・サービスを開発、提供する際の行動例
補記では、生成AIの特性や生成AIを含む新技術への向き合い方・行動の起こし方をそれぞれ1ページで説明した上で、生成AIを「活用する」場合と生成AIを組み込んだ製品・サービスを「開発する、提供する」場合の観点から、必要なプロセス、留意点、行動例を紹介する。
とりわけ「開発する・提供する」場合では、5つのプロセスを定義して各プロセスにおける行動例を示して、人材類型同士の連携と柔軟な対応が重要となると述べている。また、共通スキルリストでは「データ活用」「テクノロジー」のスキルカテゴリの学習項目例として生成AI関連の文言を追加・変更した。
ほかにも、5つの人材類型の1つである「ビジネスアーキテクト」に類似する職種である「プロダクトマネージャー」について定義して、「ビジネスアーキテクト」に関する補記として3月に先行して公開した内容も正式に追加している。
さらに、今回の改訂を受けて各人材類型の改訂を検討したWGの有識者による「生成AI時代の人材育成に関する座談会」が実施された。同座談会は、2023年8月の「DXリテラシー標準」の改訂時にも実施した座談会の第2回として行われており、その様子はIPAのYouTubeチャンネルにて公開されている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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