米Dockerはクライアント向けコンテナ基盤「Docker Desktop」の新バージョン「Docker Desktop 4.32」を17日(現地時間)に公開した。Docker DesktopはWindows、macOS(Intel/Apple Silicon)、Linux(Intel/Arm)で動作する。
「Docker Desktop 4.32」では、ベータ版の新機能を3種類追加した。1つ目は、「Compose File Viewer」。これは、設定ファイルである「compose.yaml」の中身をDocker Desktopで確認できるようにする機能。ユーザーがファイル中の任意の部分にマウスのポインタを合わせると、その部分の記述が何を意味しているのかを知らせるメッセージが現れる。Dockerはこの機能について、特に複数のコンテナで構成するアプリケーションの設定を容易にしてくれるとアピールしている。
2つ目は、Docker Desktopのウィンドウ内でターミナル画面を開く機能だ。Docker Desktopでは、GUI操作とコマンド動作が入り乱れることが多く、混乱するユーザーも少なくない。その混乱を少しでも軽くするために、Docker Desktopのウィンドウ内にコマンドの入力と実行が可能なターミナルを表示させる機能を加えた。
3つめは、Dockerコンテナのボリュームを、クラウドストレージへバックアップさせる機能だ。Docker Desktopからの簡単なGUI操作で、バックアップを実行できる。バックアップ先としては、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platformから選べる。ボリュームをクラウドストレージにバックアップする機能は、「Docker Business」サブスクリプションの契約者が利用できる。
そして今回、早期アクセスの新機能として、Windows環境向けに「.msi」形式のインストーラーの提供を始めた。対象は「Docker Business」サブスクリプションの契約者だ。既存の「.exe」形式のインストーラーは、Windows PCにDocker Desktopをインストールすることしかできないため、インストール後の各種設定はユーザーが手作業でしなければならない。
今回提供を始める「.msi」形式のインストーラーは、企業ネットワークにつながったPCへの一括インストールに向いている。インストール時の各種設定まで書き込んだPowerShellコマンドを1回実行するだけで、指定通りの設定でインストールを済ませることができるほか、Microsoftの端末管理サービスである「Microsoft Intune」を利用して、複数の端末にまとめてインストールすることもできる。Dockerは今後も、企業や団体の管理者に向けた新機能を提供していくとしている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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