米NVIDIAは、世界規模でのヒューマノイドロボティクス開発を加速すべく、次世代のヒューマノイドロボティクスの開発、トレーニング、構築のための一連のサービス、モデル、コンピューティングプラットフォームを、世界の大手ロボットメーカー、AIモデル開発者、ソフトウェアメーカーに提供することを、7月29日(現地時間)に発表した。
同取り組みでは、ロボットのシミュレーションと学習のための「NVIDIA NIM」マイクロサービスとフレームワーク、マルチステージのロボティクスワークロードを実行するための「NVIDIA OSMO」オーケストレーションサービス、開発者がわずかな人間によるデモンストレーションデータを使用して、ロボットをトレーニングできる AIとシミュレーション対応の遠隔操作ワークフローなどを提供する。
NVIDIA NIMマイクロサービスでは、NVIDIAの推論ソフトウェアを搭載した事前構築済みのコンテナを提供することで、展開に要する時間を数週間から数分に短縮可能で、「NVIDIA Omniverse」プラットフォーム上に構築されたロボティクスシミュレーションのリファレンスアプリケーションである「NVIDIA Isaac Sim」を使って、生成物理AIのシミュレーションワークフローを強化できる。
あわせて、Apple Vision Proといった空間コンピューティングデバイスから記録された遠隔操作データに基づいて、合成モーションを生成する「MimicGen NIM」、3Dワールド内での開発とコラボレーションのためのユニバーサルフレームワークであるOpenUSDにて、ロボットタスクとシミュレーション対応環境を生成する「Robocasa NIM」も用意している。
NVIDIA OSMOは、オンプレミスでもクラウドでも分散コンピューティングリソース全体で、複雑なロボット開発ワークフローをオーケストレーションおよび拡張可能なクラウドネイティブなマネージドサービス。ロボットのトレーニングとシミュレーションのワークフローを大幅に簡素化して、展開と開発のサイクルを数か月から1週間未満に短縮する。ヒューマノイド、自律移動ロボット、産業用マニピュレータの合成データ生成、モデルのトレーニング、強化学習の実施、大規模なソフトウェアインザループ(SIL)テストの実装といった、多様なタスクを可視化して管理できる。
NVIDIAは、ヒューマノイドロボティクスの開発を容易にすべく、モデルをトレーニングするためのNVIDIA AI スーパーコンピュータ、ロボットがシミュレートされた世界でスキルを学習して磨ける、Omniverse上に構築されたNVIDIA Isaac Sim、モデルを実行するためのNVIDIA Jetson Thor ヒューマノイドロボットコンピュータの、3つのコンピューティングプラットフォームを提供しており、開発者はニーズに合わせてこれらのプラットフォームのすべて(または一部)を利用可能となっている。
開発者は、「NVIDIA Humanoid Robot Developer Program」への参加によって、これらのプラットフォームにアクセスできるようになる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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