米Dockerはクライアント向けコンテナ基盤「Docker Desktop」の新バージョン「Docker Desktop 4.33」を7月29日(現地時間)に公開した。Docker DesktopはWindows、macOS(Intel/Apple Silicon)、Linux(Intel/Arm)で動作する。
今回の新版では、コンテナ内のデバッグを容易にする新機能「Docker Debug」が正式版として加わった。この機能はDocker Desktop 4.27からベータ版として提供していたものだ。DockerサブスクリプションのPro、Teams、Businessのどれかを契約しているユーザーが利用できる。
Docker Debugは、コンテナやイメージの中身を調べる際に、Vimやcurlなどのツールを揃えたコマンドシェルを提供する。近年、コンテナの軽量化を狙って、実際の稼働には必要ないソフトウェアを極力排除使用とする動きがある。この動きが進んだ結果、Vimやpingなどの基本的なツールまでコンテナから排除することが多くなった。
当然、このようなコンテナに接続して中身を見ようとしても、基本的なツールがないため、ほとんど何もできない。そこで、今回提供を開始するDocker Debugを利用することで、極端に軽量化したコンテナの中身を見ながら、必要なツールが揃ったコマンドシェルを使えるようになる。ローカルにあるコンテナの中身を見るだけでなく、サーバー上で稼働しているコンテナにネットワーク経由で接続して中身を見るときにも、この機能は利用できる。
また、Dockerイメージの作成手順を記したDockerfileの記述内容が最適なものであるかを確かめる「Docker Build checks」という機能も正式版となった。さらにmacOS版では、Docker Desktopの設定に不都合があるときに表示する警告に、警告の詳細をすぐに確認できるボタンを追加したり、警告をmacOSの通知センターに表示するようにするなどの改良を加えている。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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