オープンソースのWebアプリケーションフレームワークであるRuby on Railsの開発チームは、最新バージョンとなる「Rails 8.0」の正式リリースに向けた準備が整ったことを、11月7日(現地時間)に発表した。
Rails 8.0には、アプリケーションをどこにでもデプロイできるようKamal 2が搭載される。Kamalは、Linuxをコマンド1つでアプリケーションサーバまたはアクセサリサーバにすることが可能で、SSHキーが保存されたサーバセットのIPアドレスを設定するだけで、本番環境へ移行できるという。また、新たなプロキシであるThrusterがPuma Webサーバの前に配置され、X-Sendfileアクセラレーション、アセットのキャッシュ、アセットの圧縮を提供し、デフォルトでインターネットからのトラフィックを直ちに受け入れられるようになっている。そのほか、Kamal 2には超高速のゼロダウンタイムによるデプロイ、Let's Encryptによる自動SSL証明書、複雑な構成なしで単一サーバによる複数アプリケーションのサポートを可能にするKamal Proxyも含まれる。
これまで、Railsではジョブ、キャッシュ、WebSocketといった機能を最大限に活用するために、MySQLまたはPostgreSQLとRedisが必要だったが、Rails 8.0ではSolid Cable、Solid Cache、Solid Queueという3つの新たなデータベースバックアップアダプタが搭載されることで、SQLiteのみで実行できるようになった。
Solid Cableは、アプリケーションから異なるプロセスに接続されたクライアントにWebSocketメッセージをリレーするpubsubサーバーとして動作するRedisを置き換える。Solid Cacheは、HTMLフラグメントキャッシュを保存するためのRedisまたはMemcachedを不要にする。Solid Queueは、RedisだけでなくResque、Delayed Job、Sidekiqといったジョブ実行フレームワークを不要にする。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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