対象読者
- React Nativeでモバイルアプリ開発を行っているエンジニア
- EAS Buildでクラウドビルドを試してみたい開発者
- 開発・プレビュー・本番で設定を切り替える仕組みを整えたいチーム
前提環境
筆者の検証環境は以下の通りです。前回(第9回)の環境に加え、EAS CLIのグローバルインストールとExpoアカウントの作成が済んでいることを前提とします。
- macOS Tahoe 26.3.1(a)
- Node.js 25.9.0
- Expo 55.0.14
- React Native 0.83.4
- React 19.2.0
- TypeScript 5.9.2
- EAS CLI 18.13.0
- Apple Developer Program および Google Play Console のアカウント
EAS Buildで初めてのビルド(1)
ここからは手を動かすパートです。新しいExpoプロジェクトを1つ用意し、eas loginからeas buildまで、クラウドビルドを1本通すまでの流れを追いかけていきます。本章では手早く成果物を手元で動かせるpreview プロファイルでのAndroidビルドに絞って進め、iOSや他プロファイルの詳細は後述します。
これから触るeas buildは、前回のeas credentialsとあわせて見ると、マネージドFastlaneとも呼べる立ち位置のサービスです。Fastlaneがローカル/CI上のRubyツールとして担ってきた「証明書管理→ビルド→配布」の一連の流れを、Expoが運用するクラウドに引き取ってもらう。そんな関係性を意識しながら読み進めてみてください。
サンプルプロジェクトを用意する
まずはサンプルプロジェクトを用意しましょう(リスト1)。
npx create-expo-app@latest eas-sandbox --template blank-typescript@sdk-55 cd eas-sandbox
本連載のバージョンに合わせるため、@sdk-55を明示的に指定しています。
EAS CLIをグローバルにインストールしていない場合は、合わせて入れておきます(リスト2)。
npm install -g eas-cli
EASアカウントの作成とeas login
EASを使うには Expoアカウント(EAS アカウント)が必要です。https://expo.dev/signupからサインアップできます(図1)。
GitHubやGoogleでのソーシャルログインにも対応しているので、普段使っているアカウントで1分ほどで登録が完了します。アカウントを作ったら、ターミナルからログインします(リスト3)。
eas login
メールアドレス(またはユーザー名)とパスワードを入力すると、以降のコマンドがそのアカウントに紐付いた状態で動くようになります。
eas init でプロジェクトをリンクする
続いて、いま作ったサンプルプロジェクトを EAS 側のプロジェクトとして登録します(リスト4)。
eas init
対話的に「@<ユーザー名>/<slug>でプロジェクトを作ってよいか」を確認されるので、yesで進めます(複数のアカウントやOrganizationに所属している場合は、その前にどのアカウントの配下に作るかの選択肢も出ます)。完了すると、app.json(またはapp.config.ts)のextra.eas.projectIdにプロジェクトのUUIDが書き込まれ、ターミナルにもhttps://expo.dev/accounts/<ユーザー名>/projects/<slug>という作成済みプロジェクトのURLが出力されます。
これで手元のプロジェクトとexpo.dev側のダッシュボードがつながりました。
