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Developers Summit 2026 Summer セッションレポート(AD)

AIと並走する「IA」とは?ハイヤールー葛岡氏、広木大地氏が考える「AIと協働する力」の正体

【16-A-4】組織のAI協働力をどう見極め、どう育成するのか?

 AIに投資すれば、開発は速くなる。しかしチームの成果に手応えを感じられない──そんな声が現場から聞こえてくるも少なくない。『エンジニアリング組織論への招待』『AIエージェント 人類と協働する機械』などの著書で知られる広木大地氏と、AIスキル可視化サービスを手がけるハイヤールー代表・葛岡宏祐氏が、300社・100万件の評価データを基に語り合った。見えてきたのは、AIを使いこなす技術以前に必要な「AI協働力」の存在だ。

AIは仕事を奪ったのではない、格差を生んだ

 セッション冒頭、株式会社ハイヤールーで代表取締役を務める葛岡宏祐氏はOpenAIが2026年4月に公開したレポート「Industrial Policy for the Intelligence Age: Ideas to Keep People First」の一文を引用した。「技術の進化を単なる生産性の向上で終わらせないためには、労働者の意見は極めて重要な役割を果たします」。AnthropicやOpenAIといったベンダー自身が、AIを労働の代替ではなく協働の対象として語り始めているという指摘だ。

株式会社ハイヤールー 代表取締役 葛岡宏祐氏
株式会社ハイヤールー 代表取締役 葛岡宏祐氏

 これに応じたのが、技術経営アドバイザリーとして活動し、AIエージェントとの協働をテーマにした著書『AIエージェント 人類と協働する機械』を上梓した広木大地氏だ。広木氏によれば、AI黎明期には「AIが雇用を奪う」という言説が広く伝えられてきたが、実際に起きているのはもっと複雑な現象だという。

 「自分の力を拡張して自由自在にいろいろなものを作れるようになった人がいる一方で、なかなか使いこなせない人もいる」(広木氏)AIが労働者の力を10倍、20倍、時には100倍に拡張する存在になった一方で、使いこなせるかどうかによる格差がどんどん広がっている、というのが広木氏の見立てだ。

株式会社レクター 技術経営アドバイザリー/一般社団法人日本CTO協会理事 広木大地氏
株式会社レクター 技術経営アドバイザリー/一般社団法人日本CTO協会理事 広木大地氏

 そこで広木氏が強調するのが「AI」と並走する「IA」、すなわちIntelligence Amplifier(知能増幅器)という概念である。IAの発想自体はAIより歴史が古く、パーソナルコンピューターやWikiの開発思想にも通じる。神託を授ける巨大なマザーコンピューターというSF的でディストピア的なAI観に対し、IAは個人がエンパワーメントされ能力が拡張されていく世界観だ。Copilotをはじめ大手ベンダーの製品展開も、AIというよりIAとしての側面に重心を移しつつあると広木氏は見ている。

AI(人間の仕事を置き換える)とIA(Intelligence Amplifier/増幅器)の対比図
AI(人間の仕事を置き換える)とIA(Intelligence Amplifier/増幅器)の対比

 この増幅器としての力をうまく引き出せるかどうかは、当然ながらエンジニアの雇用にも影響する。葛岡氏が示したデータによれば、2025年半ば以降、ソフトウェアエンジニアの雇用は復調傾向にある。一時期囁かれた「エンジニア不要論」とは裏腹に、AIが人間を置き換えるものから、IAとして生産性を押し上げるツールへと役割を変えている表れだと葛岡氏は解説する。

 もっとも、話はそう単純ではない。葛岡氏が続けて紹介したのが、海外のビッグテック企業に広がる「ブーメラン採用」だ。MetaやGoogleなどでレイオフされたエンジニアを、企業が再び雇用し直す動きである。CNBCのデータでは、企業の54%がシニア層の採用を増やす計画を示しているという。裏を返せば、戻ってきているのはシニア層が中心で、ジュニア層はレイオフされたまま戻ってきていない可能性がある。

CNBC・ADP Research Institute・SignalFireなどのデータをもとにした「ブーメラン採用」の実態(Google新規採用の20%が元従業員、54%の企業がシニア採用増を計画)
CNBC・ADP Research Institute・SignalFireなどのデータをもとにした「ブーメラン採用」の実態

 「AI時代において、どのようなスキルを満たしていればジュニアで、何がシニアなのか」。葛岡氏が広木氏に投げかけたこの問いこそ、この日のセッションの核心だった。

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「AIと協働する力」で伸び悩んだのは、「共同推論」と「出力の品質保証」

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この記事の著者

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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DeveloperZine編集部(デベロッパージン編集部)

DeveloperZineは、株式会社翔泳社が運営する、技術と組織の意思決定を支える情報メディアです。技術選定やチームづくりに向き合い、自分の判断を確かなものとしたいエンジニアやエンジニアリングリーダーに向けて、翔泳社主催エンジニアイベント「Developers Summit」とも連動しながら実践知...

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