Google、Wantedlyを経てRimo創業へ──相川直視氏が描く戦略
エンジニアリングにおけるAIの守備範囲は年々広がっている。コーディングやテストといった実装工程は自動化が進み、代わって重みを増しているのが「何を作るべきか」という設計判断だ。この変化は同時に、開発コストの低下という副作用をもたらす。かつて専門的に特化したエンジニアリング力がなければ実現できなかった品質のソフトウェアが、AIを使いこなせば個人や小規模なチームでも作れるようになりつつある。
そうなると当然、資本力に勝る巨大テック企業があらゆる領域を飲み込んでしまうのではないかという不安が頭をよぎる。GoogleやOpenAI、Anthropicが次々と新機能をリリースする中で、いち企業が独自のプロダクトを作り続ける意味はどこにあるのか。この問いに、AI要約による議事録作成サービス「Rimo」を提供するRimo合同会社代表の相川直視氏が答えた。
相川氏は新卒でGoogleに入社し、検索チームに配属された。もともとの研究分野が検索に近く得意な分野ではあったものの、さまざまな思惑がうずまく環境だったこともあり、1年2カ月で退職。次のキャリアに選んだのは、当時スタートアップのWantedlyで、7年ほど在籍し上場も経験。その後、Rimoを立ち上げて現在7年目を迎えている。
Rimoを株式会社ではなく合同会社として運営しているのには理由がある。「上場した後に成長しない会社が非常に多い」と相川氏は断言する。スタートアップの間は資金調達の実績がそのまま知名度や信用につながるが、上場すると数ある中小企業の一つという扱いに変わり、利益率を強く求められるようになる。
「上場した瞬間に、日本ではいきなり利益を20%出さなければならないという雰囲気に変わります」。この戦い方の急変が成長を止めると考え、相川氏は資金調達をせず、最初から利益を出す会社としてRimoを運営する道を選んだ。
結果として売上は約2倍のペースで成長を続けており、人員も1年目の1人から2人、4人、8人、16人、32人と倍々で増えてきた。10月にはインドから十数名が加わり、50人規模になる見込みだ。創業当初は相川氏が戦略から開発まですべてを担当していた組織も、現在では設計・実装のクオリティをCTO、CPOも関与しながら開発の優先順位付けを行い、相川氏自身は経営判断を中心に進める役割分担になった。
