柳井です。 中島敦の短編集「李陵・山月記」から感想を書きます。2話目は「名人伝」です。弓の名人を目指す男の生涯を描いた作品です。この物語では、道を究めた人間とはどのようなものかが描かれます。主人公は射撃を極め、不射の射(矢を使わずに弓を射る)を身に付け、やがて弓を持たなくなり、弓すらも忘れます。 物事を身に付ける際に私が心掛けていることがあります。まずは徹底的に勉強し、行動の規範として使えるまで学習し、そして無意識のうちに利用できるようになったら、一切を忘れてこだわらなくするということです。なかなかここまでは行けないですが、血肉にするとはそういうことだと思っています。 自分が持っているものを自慢したくなるのは、まだ本当に自分のものになっていない時期だと思います。それを持っていることを意識しなくなった時、本当にそれを所有することができるのだと思います。 |
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