ExpoとEASで属人的なリリース作業を脱却する。バージョン管理やEAS Metadataによるストア情報管理まで
ExpoとEASで始める快適モバイルアプリ開発 第12回
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前回(第11回)では、eas submitでビルド成果物をApp Store Connectへ提出し、TestFlightに届くところまでを実演しました。提出そのものはコマンドになりましたが、手作業がすべて消えたわけではありません。ビルドの完了を見張ってから提出コマンドを叩く待ち時間、次に使うビルド番号の管理、ストアの説明文をWebフォームへ打ち込む作業が残っています。今回は、この「提出まわりに残った手作業」を削っていきましょう。ビルドと提出をひとつながりにする--auto-submit、バージョン番号をEASに任せる仕組み、ストア情報をコードとして管理するEAS Metadataの3つを扱います。
対象読者
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eas submitでストアへの提出を経験し、その手順をさらに省力化したいエンジニア - ビルドから提出までを一続きにして、リリース作業の待ち時間を減らしたい開発者
- ストアの説明文やバージョン番号を、担当者の記憶ではなくリポジトリで管理したい開発リーダー
前提環境
筆者の検証環境は以下の通りです。第11回で作成したeas-sandboxプロジェクトを引き続き使い、App Store Connectへ提出済みのiOSビルドがある状態から始めます。EAS Metadataは提出済みのバイナリがあることを前提とするため、この点は押さえておいてください。なお本稿の実行例もiOSを中心に紹介し、Androidの提出は流れの解説にとどめます。
- macOS Tahoe 26.5.2
- Node.js 26.5.0
- Expo 57.0.7
- React Native 0.86.0
- React 19.2.3
- TypeScript 6.0.3
- EAS CLI 22.0.0
- Apple Developer Program(有料、年間99ドル)に登録済み
- Google Play Consoleデベロッパーアカウント(初回登録25ドル)はAndroidの提出を実際に試す場合に必要
BuildからSubmitまでを一気通貫にする
前回第11回では、eas buildを実行して完了したあとに、別のコマンドでeas submitを実行しました。ビルドと提出の2コマンドを順番に実行する流れは分かりやすい一方、ビルドの完了を確認するまで次の操作に進めません。
このビルドと提出の間にある待ち時間を、EASに任せてみましょう。--auto-submitを指定すると、ビルドが成功したあとに、その成果物を自動でストアへ提出できます(リスト1)。
eas build --platform ios --profile production --auto-submit
このコマンドを実行すると、productionプロファイルでのiOSビルドが始まると同時に、提出の予約も行われます。前回の記事で予告したとおり、ビルドプロファイルと同名のsubmit.productionプロファイルが自動的に選ばれ、ビルドが成功するとApp Store Connectへの提出まで進みます。
ビルド完了を待ってから、手元でeas submitを叩く必要がなくなりました。ビルドも提出の予約もクラウド側に登録済みなので、ターミナルをCtrl+Cで閉じて席を外してもビルドが成功すれば提出まで処理が続きます。ビルドが失敗した場合は提出も始まらないため、未完成の成果物がストアへ送られる心配もありません。ビルドと提出を別々の道具や手順として管理せず、Expoのワークフローの中で一つの流れとして扱えるので便利です。
ビルドプロファイルとsubmitプロファイルで異なる名前を使いたい場合は、--auto-submit-with-profile <name>を指定します。
たとえば、Google Playのtrackをbetaに設定したbetaという名前のsubmitプロファイルを別途用意しておき、eas build --platform android --profile production --auto-submit-with-profile betaと実行すれば、同じproductionビルドの提出先だけを切り替えられます。ビルドの性質と提出先を分けて管理したい場合に便利です。
自動提出時には、TestFlightでテスターへ伝えるテスト内容も指定できます。--what-to-testはiOSの自動提出で利用でき、指定した文字列がTestFlightの「テスト内容」に反映されます(リスト2)。
eas build --platform ios --profile production --auto-submit \ --what-to-test "ログインとプロフィール編集を確認してください。"
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WINGSプロジェクト 中川 幸哉(ナカガワ ユキヤ)
<WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。 2026年時点での登録メンバは約50名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書、記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook
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山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)
静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるLaravel実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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