先日、開催されたデベロッパーのための総合カンファレンス「Developers Summit 2009」では、2日目の1トラックを丸々使って、Google社主催の「デブサミ版 Google Hackathon」が行われた。
当日のテーマとなった「OpenSocial」や「Hackathon」については、『楽しいデベロッパーカルチャーを生で体験しよう! デブサミ2009で、OpenSocial Hackathon開催』を参照して欲しい。
本稿では、当日参加したhiratara氏による体験レポートをお送りする。
事前準備 ~ チーム分けとアイデア出し
以前から、主にオープンソースの開発者達の間で「Hackathon」(ハッカソン/ハッカーソン)と呼ばれる“開発マラソン”が行われていることは知っていたのだが、今まで実際に参加したことはなかった。そんな折、ちょうど「Developers Summit 2009」にて、Googleが主催でHackathonを実施すると言う話を知人から聞いたため、参加してみることにした。
通常Hackathonと言えば、オンラインや実開発などで、ある程度事前にやりとりのあるメンバー同士が集まることが多い。しかし、今回のHackathonでは全く面識のない人同士でチームを組み、チーム開発を行った。そのため、Hackathon当日を迎える前に事前準備のミーティングが開催された。
「Ideathon」で制作物の大枠を固める
事前ミーティングではHackathonを全く知らない人向けの説明が行われた。この説明を聞けば、どのようなことをすればいいのかが大体わかるので、始めての人でも気後れする必要はない。
「Hackathon」とはHackとMarathonを合わせた造語であり、技術面とコミュニケーション面に対する効果が期待できる。技術面とは、コーディングに集中できたり上級者のテクニックを盗めたりすると言ったことである。対するコミュニケーション面は、アイデアのインスピレーションを受けられたりチームメンバーとの交流ができたりといった部分だ。
Hackathonの説明の後、作りたい物により、ゲーム、マルチメディア、フィード、Google App連携、チュートリアル等、複数のチーム分けを行い、「Ideathon」と呼ばれるブレーンストーミングを行った。1チームの人数は3~5人と少数だ。Googleの方によると、チームは3人くらいの方が作業量的にちょうどよいとのことだった。
筆者はGame1チームに入ることになった。このチームにはHackathon経験者が居たこともあり、Ideathonでは活発に建設的な意見が飛び交った。最終的に、Open Socialの"Social"にかけて、フレンドの中からパーティーを組んで一緒に社会の敵と戦う「Social Quest」と言うアイデアが出来上がり、事前ミーティングを終えた。
事前ミーディング後の下ごしらえ
事前ミーティングからHackathon当日までには約1週間あったが、Game1チームではこの期間、MLを作って情報交換を行った。そして、事前に各自の技能レベルや、考えているシステム構成、サンプルコード等をやりとりして共有していた。そのお陰で、当日はスムーズに作業を開始することができた。
また筆者は、Hackathon本番までにOpen SocialとjQueryの本を個人的に購入し、ざっと目を通し、いくつか簡単なサンプルを実装した。そのおかげで、当日は特にハマったりすることなく開発に集中することができた。
Hackathonでは限られた期間で開発を行わなければならない。今思えば、事前にある程度の準備を行っていたのは大変よいことだったように思える。