グーグルは16日、Chromeウェブストアの日本語化を発表した。あわせて新たに開発された日本向けのウェブアプリケーションが12個公開されている。また、既存のChrome用機能拡張やテーマについてもウェブストアからインストールするように変更されている。
ウェブアプリケーションは、Gmailのようにブラウザ上で動作するアプリケーションの総称。Chromeウェブストアには、昨年12月に米国でローンチされて以来すでに3,000以上のアプリが登録されている。
利用者はウェブストアでアプリを一覧表示し、ジャンル分けや検索、レーティングによって使いたいサービスを見つけてChromeにインストールできる。インストールしたアプリは新しいタブの画面で、よくアクセスするページや最近閉じたタブと並んでアクセスできる。またアプリの削除は、アプリアイコンの右クリックメニューや機能拡張の一覧から行える。
11日のGoogle I/Oでウェブ版が発表されたばかりの人気ゲーム「Angry Birds」では、すでに75万人のユーザーを獲得している。また、発表会で紹介されたWGT(World Golf Tour)のコメントでは、ユーザーとのエンゲージメントが強まってプレイ時間が23%長くなり、仮想アイテムの購入量が平均より147%多いという。
なお、サブスクリプションや無料試用、アプリケーション内課金などを含んだマネタイズの仕組みが米国ではすでに提供されているが、日本では準備が整い次第あらためてアナウンスされる。
発表されたアプリ
発表会では、新しく公開された12の日本向けアプリのうちいくつかのプレゼンとデモが行われた。
まず、はてなから、はてなブックマーク公式Chromeウェブアプリアプリが発表された。はてなブックマークはChrome機能拡張も提供しているが、こちらはよりウェブサービスらしく人気のブックマークが素早く閲覧できる。これにあわせて、はてなブックマークのトップページが、期間限定でChromeデザインに変更されている。
はてなでは、ブックマーク全体の51.2%が、ブックマークレットやブラウザ拡張、スマートフォンアプリといったツールから入力されており、今後も新しいブラウザ技術や新デバイスに積極的に対応していくとしている。
続いて、47newsが、参加新聞社と共同通信のニュースをビジュアルに閲覧できるニュースサイトを提供している。震災以降、写真のページビューが増えたことをうけ、スチールの力強さ、瞬間を捉える訴求力に着目したサイトになっている。HTML5技術で実装されており、マルチデバイス展開も視野に入れられている。
paperboy&co.からは、ブクログのパブー(電子書籍)とカラメル(ショッピングモール)の2種類が提供されている。それぞれ商品を簡単に閲覧し、カートに入れることができる(購入はサイト)。また、加速度センサーAPIをサポートしており、機器を傾けるとキャラクターの表情が変わるというギミックもある。
はてなと47newsがウェブサイトをアプリとしてインストールできるようにしたホスト型(Hosted Apps)であるのに対し、paperboy&co.では機能拡張と同様にCRXファイルをインストールするパッケージ型(Packaged Apps)で提供している。これは動作が速いなどのメリットを考えたとのこと。
また、パッケージ型のアプリでは、Chrome機能拡張APIを利用したり、完全なオフラインアプリを作ることもできる。
一方、ホスト型ではChromeだけでなく、他のブラウザにもサービスを提供できる。実際に47newsはChrome以外のブラウザでも閲覧できる。はてなブックマークの新アプリは現在はChrome専用だが、タブレット端末を含めた展開も想定されているようだ。
Googleでは、HTML5とJavaScriptというウェブ標準技術で開発できるChromeアプリに、日本の開発者・ベンダーも参入してくることを期待しているが、そのためにも日本でいつごろ課金アプリが提供できるようになるかが注目される。
そのほか新規に登録された日本向けアプリなどは公式ブログを参照のこと。
【関連リンク】
・Chromeウェブストア
・公式の解説ページ
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
モーリ・タロー(モーリ・タロー)
フリーダムなIT系編集者・ライター90年代半ばからIT系書籍編集者として『FreeBSD徹底入門』『ウェブログ入門』『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』などを手がける。2008年に独立し、現在はソーシャルメディア、オープンソース関連を中心に執筆活動を行う。hatena: http://www.hatena.ne.jp/mohritwitter: http://twitter.com/mohriFacebook: http://www.facebook.com/imkt5l
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です