はじめに
Windows 8.1が登場して、ストアアプリもかなり変更が加わりました(魅力的な機能もいろいろと追加されました)。Windows 8.1搭載端末も8インチのタブレットが注目を浴びるなど、好調の兆しを見せています。その中でよく口にされるのが「アプリが揃っていない」という言葉。
これまでは、Windowsストアは新しい市場であり「アプリが揃わないとユーザーがついてこない」「ユーザーが増えないとアプリがダウンロードされずアプリ開発者が増えない」という悩みがありましたが、Windows 8.1を搭載したタブレット端末が普及することでユーザーが少ないという問題が解決されていきそうです。つまり、今後の課題は開発者がこの市場で利益を上げていくために「ストアアプリが作れるようになる」ことです。本連載でも皆さんがWindows 8.1に対応したストアアプリを作成していけるように、更なる情報発信をしていきたいと思います。
また、C#でiOS、Androidのアプリを作成できるXamarinやUnityといったツールが登場し、WindowsストアアプリとWindows Phone(日本で最新のOS8.0を搭載した機種は未発売ですが)の統合が進むなど、Windowsストアアプリ開発者にとってのチャンスはどんどん広がっています。この機会に、ぜひWindowsストアアプリの開発に興味を持ってください。
今回は前編として、すでにWindows 8用のストアアプリを公開している人が自分のストアアプリを8.1に対応させる方法について紹介します。次回の後編では、新規にWindows 8.1用のストアアプリを作成する場合について紹介する予定です。
Windows 8.1用のストアアプリを作成する環境
Windows 8.1用のストアアプリはWindows 8.1上で開発する必要があります。
また、対応するVisual Studioのバージョンは2013です。前のバージョンのWindows 8に対応したストアアプリはVisual Studio 2012でないと作成できませんので注意してください。
- Visual Studio 2012……Windows 8に対応したストアプリの作成、開発が可能
- Visual Studio 2013……Windows 8に対応したストアプリは新規に作成できないが、すでに作成されたプロジェクトを開いて編集することは可能。Windows 8.1対応のストアアプリは新規作成から編集まで可能
Windows 8用のアプリを8.1に対応させる
Windows 8用に作成されたプロジェクトは、Visual Studio 2013で開くことで8.1用に変更(リターゲット)することができます。Visual Studio 2013で、Visual Studio 2012を用いて作成されたWindows 8対応のストアアプリのプロジェクトを開くと、以下のように8.1用にリターゲットする案内が表示されます。
リターゲットは簡単です。ソリューションエクスプローラーのプロジェクト名の上で右クリック→「Windows 8.1に再ターゲット」を選択することで、Windows 8.1用のプロジェクトに変換することができます。
この段階でビルドしたプロジェクトはWindows 8.1に対応したストアアプリとして動作します(Windows 8では動作しません)。ただし、これだけでは「最低限Windows 8.1に対応した」ということにすぎません。Windows 8.1の変更点を確認しながら、修正箇所を見ていきましょう。