デザインパターンは、過去に起きた実装上の不具合をもとに、発生しやすいトラブルを未然に防ぐための処方箋です。既知の開発言語であれば、それほど苦労せずに適用できても、登場したばかりのSwiftを使うとなると話は別です。言語仕様上の制約も含め『Swiftデザインパターン』で設計・実装の現実解を身につけましょう。
翔泳社では10月13日(火)、かの『オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン』――通称GoFを、Appleのプログラミング言語「Swift」を使って例示した解説書『Swiftデザインパターン』を刊行しました。
開発をしていれば嫌でも遭遇するトラブルの数々。多くの方がそのたびに試行錯誤し、次第に自己流のソリューションを生み出していくのではないでしょうか。しかし、別の誰かも同じトラブルに見舞われたかもしれません。あるいは自分が経験したことのないトラブルにも。
そのとき作り出されたソリューションを使うことができれば、作業量を大幅に軽減することができ、かつトラブルを未然に防ぐことも可能になります。そこで活用すべきなのがデザインパターンです。デザインパターンは有効性が実証された処方箋であり、あるいは起こるかもしれないトラブルに対する保険でもあります。わざわざ試行錯誤する作業を減らすことができるのです。
もちろんデザインパターンそれ自体は万能ではなく、各言語や状況によって適切な形に修正しなければなりません。本書は特にSwift(とCocoa)での開発環境に特化しており、すでにSwiftで開発している方だけでなく、これから開発を始めるという方にとっても有用な1冊になっています。
もちろんデザインパターンを組み込む手間暇は、事が起きたときの作業量と天秤にかけねばなりません。いま手がけているプロジェクトではどれくらいデザインパターンを活用すべきなのか、その判断にスピードをもたらすためにも、ぜひ本書をおすすめします。
目次
第I部 開発を始めるための準備
第1章 デザインパターンを理解する
第2章 Xcode入門
第3章 SportsStoreアプリケーションの作成
第II部 生成に関するパターン
第4章 オブジェクトテンプレートパターン
第5章 Prototypeパターン
第6章 Singletonパターン
第7章 Object Poolパターン
第8章 Object Poolパターンのさまざまな実装
第9章 Factory Methodパターン
第10章 Abstract Factoryパターン
第11章 Builderパターン
第III部 構造に関するパターン
第12章 Adapterパターン
第13章 Bridgeパターン
第14章 Decoratorパターン
第15章 Compositeパターン
第16章 Facadeパターン
第17章 Flyweightパターン
第18章 Proxyパターン
第IV部 振る舞いに関するパターン
第19章 Chain of Responsibilityパターン
第20章 Commandパターン
第21章 Mediatorパターン
第22章 Observerパターン
第23章 Mementoパターン
第24章 Strategyパターン
第25章 Visitorパターン
第26章 Template Methodパターン
第V部 MVCパターン
第27章 MVCパターン
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- この記事の著者
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渡部 拓也(ワタナベ タクヤ)
翔泳社マーケティング課。MarkeZine、CodeZine、EnterpriseZine、Biz/Zine、ほかにて翔泳社の本の紹介記事や著者インタビュー、たまにそれ以外も執筆しています。
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