AIを用いたソフトウェアテスト自動化プラットフォームを展開するオーティファイは、「Autify QA-AX Vision 2026 品質保証の未来を再定義する」と題した事業戦略説明会を、4月16日に開催した。同社はQA(品質保証)について、手段ではなく“あり方”を変える「QA-AX(Quality Assurance AI Transformation)」をビジョンとして掲げている。その一環として、QA(品質保証)業務の標準化プラットフォーム「Autify Genesis」の新バージョンをリリースした。
説明会の冒頭、Autify, Inc CEO/共同創業者の近澤良氏は、生成AIとQAの現在地について説明。「生成AIの進化によって開発速度は劇的に上がったが、QA工程は人手不足でスケールできない。このギャップが開発現場の限界を招いている」と分析した。
そして、この2年で同社の顧客層がスタートアップから金融、製造、システムインテグレーター(SIer)といった、説明責任とセキュリティ要件が厳しいとされる業界へと拡大した背景について、従来の人手依存モデルからの脱却という強い危機感があるとした。同社が提唱する「QA-AX」は、人に依存したQAの構造をAIとテクノロジーの組み合わせによって解決し、品質データを経営判断の基盤へと転換することを目指すものである。
さらに近澤氏は、同社のプラットフォームで実行された400万件以上のテストデータと、蓄積された現場の知見が、他社には真似できないテスト特化型AIの精度を支えていることを強調した。
その具体的な技術アプローチとして、オーティファイ株式会社の取締役CSOである清水隆之氏は「Agentic Testing」を紹介。これは、AIエージェントがテストの設計、実行、保守の工程を担い、人間は指揮と判断に専念する次世代のテスト手法である。
そして、Agentic Testingを実現する包括的なQAマネージドサービスが、2026年3月に提供を開始した「Autify AI Coworker」だ。このサービスには、テスト設計が行える「Autify Genesis」、AIエージェントが自律的にテストを実行する「Autify Aximo」、エンタープライズ向けのテスト自動化基盤「Autify Nexus」が含まれる。特に新しくなったAutify Genesisは、自然言語によるチャットから複雑なワークフローを自動生成する機能を搭載。これまで専門家の頭の中にあったテスト設計のノウハウを、誰でも再現可能な形式知としてプラットフォーム上に蓄積できるようになった。

続いて清水氏は、同日にリリースされたAutify Genesisの新バージョンを中心に、Autify AI Coworkerによるデモンストレーションを披露。AIエージェントが仕様書を読み込んで複数の観点からレビューを行い、優先順位を付けたテストプロセスを数分で構築する様子を実演した。
説明会の後半、導入企業の立場として登壇した日鉄ソリューションズ株式会社の長倉正人氏は、生成AIを活用した開発における最大の課題は「AIが出力する大量の生成物を人間がいかにチェックし、品質を保証するか」という点にあると指摘した。同社ではAutify Genesisを先行導入し、ドメイン知識が必要なエンタープライズシステムのテスト設計における有効性を検証。仕様書をアップロードするだけで、人間が作成するものとほぼ遜色ないテストケースを短時間で再現できたという。長倉氏は「これまでは特定のベテランエンジニアの知見をテスト設計に活かす必要があったが、その属人性を解消できる」と評価した。
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