入った会社でエンジニアは自分だけ!三方からの要望に忙殺されて
株式会社Macbee Planetは、大手広告代理店でメディアミックスによるコミュニケーション戦略設計を行っていた小嶋氏が立ち上げた、デジタルマーケティングの会社である。30人と小規模な組織ながら、成果報酬型エージェンシーとして急速に業績を上げ、2016年には成果報酬型専用タグマネージャーの「ハニカム」、2017年末には成果報酬型専用マーケティングツール「Robee」など自社サービスの提供も開始している。
そんな株式会社Macbee Planetに、現在システムクリエイティブ部の部長を務める高原英実氏が入社した1年半前は、社員5人全員が営業担当で、エンジニアは高原氏1人だったという。
「前職で物件情報ポータルサイトの開発を経験はしていたものの、Webエンジニア歴は4年。決してすごい技術力を持ったスペシャリストというわけではなく、『一般的なエンジニア』として入社し、その1年半後に6名のエンジニアを擁するシステムクリエイティブ部を設立するまで、1人で奮闘することになりました。入社当初は、既存の広告効果計測システム 『ハニカム』の改修、保守、運用の担当になるものと思っていたところ、まったく勝手が違っていたのです」(高原氏)
営業メンバーからPCのトラブル対応を依頼されたり、システムの説明方法について聞かれたり、ハニカムの機能の使い方から、ブックマークのページの削除方法まで、さまざまな問い合わせがくる。今となっては笑い話とはいえ、高原氏は当時「入社したばかりの人間にメインサービスの説明方法や機能を聞くなんて!」と驚き、ITリテラシーの低さにも課題を感じた。
さらに役員陣からは、運営中のメディアのリニューアルや社内システム、共有サーバの機器の選定やWi-Fiネットワークの調整まで、幅広い要望がわき上がって来た。「専門ではないのだけれど……」とためらいつつも、何とか対応。クライアント先でも、「手が空いていなくて」「とにかく簡単に」などの要望を直接聞くようになり、工数削減に対するニーズの高さを実感していたという。
高原氏が入社直後に課せられた課題は、大きく3つに分けられる。営業メンバーからは「ITリテラシー」に関するもの、経営陣からは「幅広い要望」、そしてクライアントからはシステム導入における「工数削減」だ。いずれについても、システム部門の本来の仕事とは言いがたいところがあり、システム開発に対しての理解、文化の醸成の必要性を痛感したという。