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AI礼賛時代に異議あり! 少量データでリアルタイム学習を高精度に実現するリザーバコンピューティングとは?【デブサミ2020】

【13-F-7】少量データで軽量な機械学習の手法について 

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2020/03/09 12:00

 いまだ魔法の杖として誤解されたまま、バズワードとして浸透してきたAIだが、今のところAIで解決できる問題はさほど多くないのが実情だ。実際に深層学習を行うには、大量のデータと計算量が必要であり、お金と時間といった2つの大きなコストが発生するからである。こうした状況を打開する一手として、QuantumCoreが提供する新たな技術がリザーバコンピューティングだ。その真価について、同社の代表取締役である秋吉信吾氏が講演を行った。

目次
株式会社QuantumCore 代表取締役 秋吉信吾氏
株式会社QuantumCore 代表取締役 秋吉信吾氏

なぜリザーバコンピューティングが必要なのか

 リザーバコンピューティングとは、レーザーの波長や波動く水面など、ダイナミクス(ノイズソース)を持つさまざまな物質を利用したコンピューティングのこと。QuantumCoreでは、そのリザーバコンピューティングを活用した次世代多変量時系列処理(RNN:Recurrent Neural Network)ソリューションを提供している。

 自然言語処理をバックグラウンドに持つ秋吉氏が2018年4月に創業した同社だが、独自のリザーバコンピューティング技術「Qore(コア、国際特許化中)」を武器に、2019年7月には約1億6000万円の資金調達に成功している。

 秋吉氏は、深層学習とリザーバコンピューティングを比較しながら、リザーバコンピューティングが持つ特徴を次のように解説した。

簡単かつ高精度

 リザーバコンピューティングは、深層学習で必要なビッグデータが不要だ。少ないデータで簡単に時系列処理が可能であるほか、従来型LSTMの処理よりも高い精度を出すことができる。例えば、9人分の話者分類を行うと、深層学習では92.4%の精度だったのに対し、リザーバコンピューティングでは99.2%の精度を実現できた。

とにかく速い

 深層学習とは異なる独自の方法で多変量時系列処理を行った結果、深層学習ではGPU2枚挿しで120.5秒かかったところ、リザーバコンピューティングは1.8秒しかかからなかった。しかもQuantumCoreの技術は非常に軽量なため、AWSのマイクロインスタンスでも動くのが特徴だ。

安価

 リザーバコンピューティングに高価なGPUはいらない。QuantumCoreが提供する従量課金制のAPIを使えば、深層学習よりも圧倒的に安価で活用することができる。

 「リザーバコンピューティングの技術は、元々、複雑系力学という物理学の分野で90年代から研究されてきたもの。当社には技術顧問として、東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 教授の池上高志氏と、はこだて未来大学 複雑系知能学科 准教授の香取勇一氏の両名に入っていただいている」(秋吉氏)


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